砂場

former_sunaba_soba

 そば店として有名な砂場は、写真の花園三丁目銀座街の砂場本店跡、小樽花園銀座街の砂場庵、南小樽駅前の南樽砂場と市内に三店舗構えていた小樽の老舗である。現在は、南樽砂場のみが営業している。

 花銀にあった砂場庵は、午前1時頃まで開いていたので、小樽の花街酔客にとっては、「締めのラーメン」ならぬ「締めのそば」として大変人気があった。

 たまたま創業者の娘さんが、息子の同級生のお母さんということもあり、彼女が夜お手伝いしていた砂場庵に家内と何回か行ったことがあった。お互い子供の近況を語り合いながら、そばをすすっていたことを思い出す。

 先日、久しぶりに南樽砂場に行ってみた。最近のそば店はそば打ちブームからか、手打ちが一般的になってきたが、ここは創業時から手打ちを続けているという。そういえば、どの砂場店舗でもガラス越しに手打ち作業が見学できるようになっていた。

 前述の娘さんから、注文時に更科か田舎を聞かれる・・・。以前はそんな事聞いたかな???と考えながら迷っていると、更科にしますか・・・とすかさず助け舟を出された・・・。

 それじゃあ、更科のかしわ蕎麦をお願いします・・・、という事になった。私はかしわそばが好物である・・・。

 お昼時を過ぎた時間帯だったので、お店はすいていた。お互いの子どもの話しなどをして、できあがりを待っていた。少し甘めのそばつゆ・・・、久しぶりのかしわそばの味は、相変わらずの美味しさだった!!!

 余談だが、春に京都嵐山のそば店でかしわそばを注文した時の事、透明なそばつゆで出て来た時は閉口した・・・。うどんならともかく、やっぱりそばつゆは醤油色していないと・・・。もりそばを注文した家内とばくって(交換して)もらった・・・。

 砂場には「北海道名物のにしんそば」と店内外に大きく書いてある・・・。北海道→小樽→鰊・・・。わからなくもないが、確かにしんそばは京都名物だったような記憶が・・・。まあいいか・・・。

 聞くと鰊は余市の業者から仕入れ、ここで甘露煮にしているという、市販品を使うところが多い中、ちゃんとこだわっている。近年多くなった南樽駅に降りる観光客にはキャッチーなメニューに入れたのかと思ったら、昔からにしんそばを名物にしていると言っていた。今度はかしわではなく、にしんそばを頼んでみよう、それも田舎そばで!!!

(斎藤仁)