松ケ枝中学校

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 天狗山の麓にそびえ立つ松ケ枝中学校は、昭和32年(1957年)市内14校目の中学校として開校した。翌年の塩谷村との合併により、忍路、塩谷の両村立中学校が加わり、長らく市内16校状態が続いていた。ちなみに現在は塩谷中が今年3月閉校になり市立13校、私立1校が市内の中学校である。

 私は昭和49年3月卒の第17回卒業生である。当時は小樽市内で一番新しい中学校と言われていたが、平成2年(1990年)に新興住宅街である望洋台に、望洋台中学校ができたことにより、その座は奪われている。

 松中(まっちゅう)は、天狗山スキー場に直進する千秋通りから、小樽工業高校越しに鉄筋3階建ての校舎を見る事ができた。今は樹木が生い茂り、その雄姿をうかがい見る事はできなくなった。

 校区に天狗山スキー場を抱えているということで、アルペンスキー競技においては開校当時より現在に至るまで、全道、全国大会に数多くの入賞選手を輩出している。私たちの時代も先輩、後輩含めたくさんの名選手がいたものだった。

 校舎の裏山が、天狗山スキー場のダイナミックコースから続く、松ケ枝スロープと呼ばれる斜面で、スキー授業やスキー部の練習はここを使っていた。しかし、近年は畑が荒地化し低木が伸び放題になり、スロープとしての機能は失われている。

 当時は20m級のジャンプ台や相撲の土俵などもあり、春夏秋冬いろいろと楽しんだものだった。それらが勝手に使えるようになったわけではなく、それらをしっかり管理運営してくれた教職員がいたのだと、当時は気づかなかったが今改めて感謝している。

 ここは何度かの大規模修繕を実施しているのだが、基本的な構造は開校当時のままなので、私にとって懐かしさがこみあげてくる。老朽化のため、工業高校の向かい側にある最上小学校校舎を新校舎に使用するという市教委案も出されていたが、更に進み西陵中との合併新中学校設立案が巷を賑わせている。

 2020年度から小樽商業、小樽工業両高校が合併し工業高校校舎を使用すると道教委が発表するに伴い、空いた商業高校校舎を新中学校の校舎に使うという事のようだが、今後も二転三転しそうな流れである。

 母校が無くなるのは寂しいが、少子化、人口減のおり学校再編は止められない勢いである。

(斎藤仁)