小樽海岸自然探勝路
山坂の街小樽には、山の中を駆け巡る遊歩道がいくつかある。天狗山周辺や旭展望台まわり、そしてここ小樽海岸自然探勝路というオタモイと祝津を結ぶハイキングコースがある。案内看板には、ご覧のように「赤岩オタモイ線歩道」と書かれているが、正式には前述「小樽海岸自然探勝路」と呼ぶようだ。
私はこのオタモイ~赤岩~祝津のコースを、一度だけ踏破したことがある。踏破とは少々大げさだったが・・・。高校一年の秋遠足はここだったのだ。
通常遠足と言えば学校から出発して目的地に向かうのが普通だが、当時の小樽潮陵高校は現地の近くに集合、ほぼ現地解散という自由で放任な遠足を謳歌していた。
この秋遠足も各自がバスでオタモイ海岸入口の交番前に集合して、終着地の祝津に到着した時点で解散というなんとも適当な遠足だった。
先日この写真を撮りに現地に行ったのだが、交番前も遊歩道入口も多くの生徒(当時1学年360名)が集合できるスペースが見当たらなかった。景色が変わっているのか・・・、記憶が曖昧なのか・・・。まあどちらにしても40年以上前の事なので正確なところは勘弁いただくとして・・・。
さて、遊歩道の思い出を少々語らせていただく。オタモイからの登り始めは急坂が長く続き、結構大変だった。赤岩連峰???の尾根に出ると、ゆるやかに上ったり下ったりを繰り返していた。赤岩は標高371mの山で高くはない。どうだろう高低差200-250m位を行き来しているのであろうか???
遊歩道は3キロほどの距離なのだが、雨上がりで足元が悪かったのも重なり、大げさだが街中の10キロ以上のような感覚だったことは鮮明に覚えている。
ただ、途中眼下に見える赤岩海岸、山の木々や鳥の声、遠くに広がるマリンブルーとスカイブルーが相まって、とても素晴らしい景色だったことは忘れない。
この遊歩道の最大の難所と言われる、赤岩峠(赤岩海岸に下りる道との分岐点)を少し過ぎた、ロッククライミング練習場所の断崖絶壁は、目がくらみ足がすくむほどだった。私を含めた怖いもの知らずの男子高校生は、絶壁の下をのぞいては奇声をあげていた。
展望閣(現在のホテルノイシュロス)の裏から下りて祝津についた頃には、靴はドロドロだったのだが、みんな素晴らしい景色を堪能できた満足感でいっぱいだったことを思い出す。
(斎藤仁)