市立小樽図書館のスーパー司書

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毎月発行されている図書館だより。大人向けの「しらかば」には図書館からのお知らせやイベント案内などが掲載されているが、今回ご紹介したいのは子ども向けの「きっずおたる」。大人が見て何が楽しいの?と思われるかもしれないが、私は毎月、このお便りを楽しみにしている。すでに子どもたちが成人した我が家では子ども向けイベントの情報は必要ないが、私が楽しみにしているのは4コマ漫画の「トシオくんとカンちゃんのとしょかんにっき」。

「くすっ」と笑ってしまうような図書館の日常が描かれているこの漫画の著者はペンネーム「ぶーさん」、市立小樽図書館の司書だ。ちなみにぶーさん、女性である。
ある日、彼女に質問してみた。
「この4コマ漫画のネタって実話?」
(自慢げに)「実話です。」
どうやら彼女の周りはいつも面白いことが起こるらしい。いや、彼女が面白い事件を起こしているという説もある。

この「トシオくんとカンちゃんのとしょかんにっき」、実はネットでも見ることができる。図書館のホームページには、毎月のとしょかんだよりとウェブ限定の解説付き4コマ漫画「今月の4コマ」が掲載されるのだ。さらに、何年かに一度、それまでの4コマ漫画を1冊にまとめた「総集編」が発行される。「嫌なことがあるとこれを読み返します。元気が出てきます。」と語る人もいて、総集編の発行を楽しみにしている隠れファンは意外と多いのだが、私もその一人。
10月に創立100周年を迎える市立小樽図書館は、今年、様々なイベントを予定していて、その中の一つに、この4コマ漫画の総集編の発行がある。

平成26年からインターネット予約ができるようになり、さらに便利になった図書館。実は、小樽新聞(明治28年5月〜昭和17年10月)や北海タイムズ(大正元年8月〜平成12年9月)の原紙やマイクロフィルム、オタモイ龍宮閣の火災の記事など貴重な資料も揃っているそうで、本好きだけではなく、小樽の歴史について調べたい人にもオススメの施設。

ゆる〜い4コマ漫画から昔の資料を見に、そして、出前講座や子ども向け工作までなんでもこなすスーパー司書のぶーさんに会いに、100周年を迎える図書館を訪れてみてはいかがだろう。来月の4コマ漫画のモデルはあなたかもしれない。

追記:この記事は3月に書かれたものです。4月1日付で小樽図書館司書のぶーさんは北海道立図書館に出向となり、しばらくの間、彼女は不在です。
なお、図書館の100周年記念行事と「トシオくんとカンちゃんのとしょかんにっき」総集編は予定通り発行されるとのことです。

(まがら りか)