ツルヤ餅菓子舗
ツルヤ餅菓子舗は、花園3丁目第一大通り沿いにある。数多くある朝生で有名な小樽の餅屋の中でも、大正時代創業の老舗餅菓子店だ。現経営者の高橋さんご夫妻は、私とは長きにわたり町内会活動をご一緒させていただいたご近所さんで、私たちの主催イベントポスター貼付のお願いに上がると、いつも笑顔で応対してくれる心優しいご夫妻なのだ。
早朝6時前に、愛犬の散歩に出ると、店の奥からお餅を突く音が聞こえてくる。『餅のツルヤ』と書かれた年代物のレンガ製集合煙突中ほどの換気窓からは、湯気が上がっているのが見える。
話を聞くと、なんと午前3時からその日の仕込みを行なっているという。餅米は時間が経つとすぐ固くなるので、その日に仕込んだものはその日に販売する。残ったら終わり・・・。ということだそうだ。
町内会行事の敬老祝の時は、お祝金と共にここのお赤飯を一緒に渡していた。大変評判の良い地域に根差したお餅屋さんである。
小樽のお餅屋さんは午前中が勝負だ。お昼を過ぎると人気の商品はほとんど買えなくなる。ツルヤさんもご多分に漏れず、人気の大福、道産子のソウルフードと言われるべこ餅などは、売り切れてしまう。
週末などは、札幌圏からのツルヤファンが人気の草餅、豆大福を大量に買いに来ると言っていた。よくお店の前に駐車して買っているのを目撃している。
あるオタモイ在住の友人は、昨年孫の一歳の誕生祝の一升餅をツルヤさんにお願いしたと言っていた。その友人、小樽の有名餅店を食べ比べ、ここツルヤさんに決めたという。
理由を聞くと、値段、キメ、柔らかさ、美味しさ等々、まあいろいろ私の解らないお餅のうんちくを並べていたが、結論としては、安くて美味しかったという事の様だ。
どちらにしても、これからも末永く餅屋の街、小樽の伝統を守って欲しいと思っている。
(斎藤仁)