双葉高校

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 双葉高校は開学100年を超える北海道の名門私立高校である。平成10年(1998年)から男女共学になるまで、女子高として内外に存在感を示していた。同じ年男子校だった北照高校、そして平成7年(1995年)にいち早く共学化に戻した昭和高校(現明峰高校)を含め、小樽市内3校すべての私立高校は男女共学となり、公立高校5校と合わせて市内8校すべてが共学となった。

 また、平成16年(2004年)に閉校となった隣接する住吉中学校を小樽市より買収し、小樽市内初の中高一貫校を誕生させた。北海道の私立高校は、本州都心部の私立高校と違い、函館ラ・サール以外は公立高校の下支え的な存在であったのだが、少子化の近年は北海、東海、第一、などかつてのスポーツ名門校も名門大学進学に特化したカリキュラムを敷いている。双葉もご多分に漏れず中高一貫6年間の教育で、目覚ましい進学成果を挙げていると聞いている。

 しかし、双葉というと何といってもアルペンスキーの名門校である。私たちの子供の頃より冬の新聞スポーツ欄は、双葉、北照の生徒が活躍する記事で溢れていた。サッカー、野球、バレー、バスケットなど、夏のスポーツ競技における中学、高校年代の小樽地区代表は、今も昔も全道大会では苦戦を強いられているので(近年の北照高校硬式野球は除く)、スキー競技での毎年の大活躍はその溜飲を下げる意味でも、郷土愛を保持する大事なワンピースだったように感じる。

 ただ、昔は地元小樽っ子が双葉に入学し、そのまま活躍していたのだが、今は市外、道外勢が男女問わず名門双葉スキー部の門を叩き、活躍していると聞いている。スキーのメッカ小樽の名門校のプライドは、市外勢の活躍で保っているという、なんともやるせない現実があるようだ。

 小学校から高校まで、ご一緒させていただいた私の二学年上(にこうえ)の先輩、小樽剣道連盟の重鎮でもある吉能康博先生が、故人のお父さんも含め親子二代で校長を務めていたという事もあり、私にとっても大変愛着のある学校である。

(斎藤仁)