紅葉橋

momijibashi

 緑町から花街(花園町)に抜ける道路のオコバチ川に紅葉橋は架かっている。小樽市内には札幌の豊平川、旭川の石狩川、忠別川のように大きな川が流れていないので、名だたる大きな橋は架かっていない。橋が架かっていても道路の一部のようなものがほとんどで、改めて橋と認識するものは意外と少ない。跨線橋の方が大きかったり有名だったりする・・・。

 例に漏れず紅葉橋も小さな橋である。しかし、橋に馴染みのない市民にとってもこの橋は、比較的よく知られている。この橋を有名にしているのは、花園町側の急坂である。その名の通り「紅葉橋の坂」と称するその坂は短いながらも10%の急こう配で、市民会館方面から緑町側に車で下りてくる時など、ジェットコースター感覚を味わうことができる。

 私も車で、市外の友人を乗せこの坂を下りると、異口同音に
「さすが坂の街小樽だな、ちびりそうになる・・・」
など、記述しにくい事を言ったりしている。

 また、昭和初期に作られた小樽名所絵葉書にこの橋が登場している。それをご覧になった方も多いと思うが、和服を着た女性が番傘を差し、橋のたもとに佇んでいる図柄である。
現在もその絵葉書同様、欄干にある4本の柱に球形の街灯が往時を偲ばせている。

 私が卒業した緑小学校はこの界隈が校区だったこともあり、このあたりの抜け道の類は熟知している。橋のたもとから下りて川沿いの小道を歩いて行くと、妙見市場への近道だったりする。

 また、私の時代は、紅葉橋から50メートルほど緑町側の緑第一大通りとの交差点が、緑小学校を4つの中学校校区(松ケ枝中、東山中、菁園中、西陵中)へ分断する境界線だった。向い同士でも違う学校へ行かなければならなかったという事。まあそれが当たり前だと思っていたので、別に何とも思わなかったけれど・・・。

 現在は東山中が閉校になり、道路2-3本離れていても、友達同士希望の中学校へ行かせてもらえるようになったと聞いているが・・・。

(斎藤仁)