あったかステーション小樽
「おたるはあったかいね。」
昔、札幌に住んでいる親戚のおばさんが言った。
札幌駅から電車で30分とちょっと。
到着して小樽駅のホームに立つと、
昭和にタイムスリップしたみたいになんだかあったかくて懐かしい。
そんな気分になるそうだ。
小樽駅のホームの照明はランプだ。
柱の1本1本についている。
夜になると、ぽわぁっとした淡いオレンジ色を灯す。
改札を出てエントランス。
顔を上げると、壁一面にたくさんのランプ。
きらきらしていて綺麗だ。
当たり前に使いすぎていて気付かなかったが、
小樽駅、素敵じゃないか。
今更ながらそう思った。
昔は、札幌駅がうらやましかった。
札幌駅は近代的だし、大きいし、お店がたくさんある。
小樽駅はなんか古臭い。そんな風に思っていた。
でも今は小樽駅に帰ってきたとき、ほっとするのだ。
小さなランプの光りが心を落ち着かせる。
大人になってホームの雰囲気が好きになった。
おばさんが言っていた
「あったかさ」がなんとなくわかってきた気がした。
(たまねぎ)