団子坂
団子坂を初めて上ったのは、今から42年前、昭和48年（1973年）秋のことであった。その日は、当時松ヶ枝中学校と姉妹校であった菁園中学校の生徒集会に、松中生徒会三役として呼ばれた帰りでの事だった。その中の一人が、この坂上がったら近道だぞ、と教えてくれたのだった。
参加したそれ以外の生徒は、その坂の存在さえ知らず、それじゃあ折角だから行ってみようか・・・、という軽いノリで坂道帰宅を選択し、息を切らせながら坂を上り、桜ヶ丘球場の裏側に出たのであった。
坂を上りきると東山中学校の旧校舎が目に飛び込んできて、誰彼となく
「あれトン中じゃない?」
「あっ、本当だ、トン中だ。菁園とトン中、こんなに近かったなんて知らなかったね」
などとしゃべりながら、最上町へと帰って行ったのである。
花園小学校と菁園中学校が隣同士というのは知っていたが、菁園中学校と東山中学校の近さを初めてみんなで実感した時だった。ちなみに、車道路を通ると両校が離れているのはご存じの通り。
時は流れ、この坂が団子坂という名前だと知ったのは、その後20年近く経っていた。今でも楽しみにしている、道新市内版の記者コラムに小樽市内の坂がシリーズで書かれていた。
有名な誰でも知っている地獄坂、船見坂と共に団子坂も記載されていたのだった。そのコラムには、この急坂の途中に団子屋があって団子坂の名前が付いた・・・、というように記載されていたが、真偽のほどは定かではない。
この団子坂のある「青葉が丘」は、花園4丁目という中心市街地に近い立地だが、閑静な住宅街で、小樽クラシック音楽界の重鎮、潮陵高校、小樽JCの大先輩、青木真一郎さんの大邸宅もここにある。
今もたまに、愛犬と団子坂の上り下りを行う。写真のシーの「これから下りるぞ」という覚悟を読み取っていただきたい。
（斎藤仁）
