ジャナグルJr.コンサート

jenagurujr

毎年6月頃、小樽にアフリカから子どもたちがやってきます。
彼らは、アフリカ大陸の南の国、ジンバブエの「ジャナグルアートセンター」という音楽学校で学ぶ子どもたちで、ジャナグルJr.として小樽各所や全国でアフリカの伝統的な歌と踊りを披露してくれます。
今年も12歳から14歳の4人の子どもたちが小樽を訪れ、ウイングベイ小樽などで、コンサートを開きました。

「ジャナグルアートセンター」は、小樽出身の音楽プロモーター高橋朋子さんが設立しました。高橋さんは、ボブ・マーリーの影響を受けて、1986年にアフリカに渡り、ジンバブエの首都ハラレに移住しました。ジンバブエは、とても音楽が盛んな国なのですが、長くアパルトヘイト政策を取っていたため、白人系レコード会社の一社独占状態が続き、黒人アーティストは不利な境遇に置かれ、才能ある黒人の子どもたちは、音楽教育にアクセスすることが難しい状況にありました。それを打開しようと、高橋さんは活動を続け、遂に黒人の子どもたちのための音楽学校を開くことになったのです。
そして、高橋さんは、毎年ジャナグルJr.を連れて、故郷の小樽に帰ってくるのです。
高橋さんの素晴らしい活動には、ひたすら頭が下がります。

私も初めてジャナグルJr.を見た時から、その迫力と素晴らしい感性に、すっかり魅了され、コンサートには毎年足を運んでいます。西洋音楽に慣らされた私たちにとって、アフリカのリズムは、とても新鮮で、命に力を与えてくれるものです。本当に素晴らしいパフォーマンスで、まるで新しく生まれ直したかのような感覚をもたらしてくれます。

今年は、小学生の娘が、新聞作りのためにメンバーへインタビューをする機会をいただきました。「小樽に来て楽しかったことは?」と聞くと、それぞれ、「海を見ることができたこと」、「幼稚園で公演した時に、子どもたちと遊んだこと」、「お寿司やからあげ弁当がおいしかった」などと答えてくれました。そこには素朴な10代の少年の姿がありました。

身体性をどこかに置いてきてしまった私たちの目を覚まさせてくれるようなダンスと歌を、また来年も見たいと切望します。

(川)