シマリス公園

chipmunk10

天狗山の展望台には、学生の時に後輩の車に乗って行った覚えがある。
確か夏の暑い時期だったはずだ。

天狗山は道内屈指のスキー場である。
僕が行ったのは夏だったけど、展望台の横にあるゲレンデから下を見ると、なんとスキーロッジしか見えない。
そこはスキーを滑るスタート地点のはずだ。
だけど、スキーを滑る斜面が全く見えないのである。

恐るべし、天狗山スキー場。

スキーの苦手な僕は、
「ここのスキー場だけは、決して来てはいけない」
と思った。

ところが、大学の先輩の家が天狗山スキー場の近くにあった。
そして、その先輩は小学生の頃、あのゲレンデをいいだけ滑ったあと、そのまま家まで滑って帰っていたという。
あの斜面が見えない恐ろしいゲレンデを、小学生が遊び場感覚で滑っているのである。

恐るべし、小樽市民。

 

そんな天狗山だけど、展望台のすぐそばに「シマリス公園」があるということをこの間知った。
そして、シマリス公園にいるリスさん達は、人に慣れており寄ってくるという。

ちょうど友人たちと小樽に行く機会があったので、行ってみた。

シマリス公園は、展望台の向かいにあった。
が、正直に書けば、入り口を含め見た目は大変地味である。
知識なしに行ってしまうと、
「あれ、なんだべ」
って感じで通り過ぎてしまうかも知れない。

が、ぜひ入ってもらいたい。
有り難いことに入場は無料である。

 

入ってみると、柵に囲まれたちょっとした庭という感じで、それほど広くはない。
コンクリートの遊歩道を普通に歩けば、2、3分で一周できるくらいである。

そして、単に遊歩道を歩くだけでは、
「あれ、リスなんかいないべや」
って思うかも知れない。

が、立ち止まって周りの草木をよく見ると、必ずモソモソと動くモノが見えてくる。
そこにはシマリスさんがいて、くつろいでいたり、エサを食べていたりするのだ。

慣れてくると、あちこちにいるのが分かるようになる。
そして、その姿は思わず笑ってしまうほど非常に愛らしい。

100円でエサ(ひまわりの種)を買うことができ、それを手のひらに乗せてシマリスさんに見せると、シマリスさんが寄ってきて、手のひらに乗って食べてくれる。

手のりシマリスである。

これがホントめんこくてね、癒されるとはこのことだなあって思う。

エサを食べてるシマリスさんをよく見ると、食べているのではなく、両頬に詰め込んでいるというのが分かる。
見ていると、ドンドン両方のほっぺたが膨らんでくる。
そこで、
「おめー、それは詰め込みすぎだろ」
とホッペを指でツンツンしても、無視される。
「うるせーよ」
って感じで、一心不乱にエサを頬に詰め込む。

この姿がたまらなく愛らしい。
何時間でも見ていたいと思う。

夏のシマリス公園、お勧めです。

 

 

(みょうてん)