南小樽の鐘
小樽駅のホームと駅前にある「むかい鐘」のことは名前やその来歴はともかく、存在を知っている人も多いと思います。ですが、その「むかい鐘」がJR南小樽駅にもあることを知っている人はどれだけいるでしょうか。
「むかい鐘」というのはかつて列車到着の予報として、上りでは二つと下りでは六つと回数を決めて打ち鳴らされていたそうです。由来をよく読んでみるとこの鐘は明治13年から昭和40年まで実際に使われていたものだそう。「隣の手宮駅を発車した電車」などと書かれているところにも歴史を感じます。
これは余談ですが私は小樽駅前にある「むかい鐘」を勝手に幸せの鐘だと思っていました。よく観光地などにあるアレです。どうしてそう思っていたのか今でも不思議です。思い込みってこわいですね。
小樽駅にある鐘同様、南小樽のこの鐘にも取っ手がついていて誰でも鳴らせるようになっています。もっとも、私は今まで鳴らしている人を見たことがありませんが。
せっかくなので鳴らしてみると「カーン」と良い音がします。ただ、さすが鐘というべきかそれはもう綺麗に響きます。南小樽駅は小樽駅とは違ってまわりが住宅地などから離れているわけではありません。なので、あまり鳴らすとうるさいかもしれません。
小樽にはこのように何気なく歩いていても歴史を感じるものや建物がたくさんあるように感じます。それをあまり前面に出しすぎないところが少し寂れてしまった原因でもあり、逆にいいところでもあるのではないでしょうか。私はそんなどこかのんびりとした小樽の街が気に行っています。
メルヘン交差点に行った時など南小樽駅に行く機会があればぜひこの鐘にも注目してみてください。ただし鳴らす時間と回数にはご注意を。
(菜)