青塚食堂で海と小樽を味わう
小樽に通学していると、毎日といっても過言ではないほど多くの観光客とすれ違う。彼らにはぜひ訪れて食べていただきたいもの、青塚食堂の花魚丼がある。
すれ違う観光客は、札幌から来る人、本州から来る人、そして外国の方も多い。彼らの目的は小樽ならではの歴史的建造物を見たり小樽の豊かな自然を味わったりと、その目的は様々であると思われるが、果たして食べ物の面では満足のいく旅行となっているのであろうか。
そこで私がぜひおすすめしたいお店が、祝津にある青塚食堂である。祝津というと、おたる水族館や鰊御殿などの名所があり、足を運ぶ観光客も多い。私も小さい頃はよく札幌から家族旅行でおたる水族館に来ていたものだが、せっかく小樽に来たのだからおいしい海の幸が食べたいと思ったものだった。そして幸運なことに、おたる水族館や鰊御殿と青塚食堂は非常に近い。歩いて5分もかからないと思われる。
青塚食堂は祝津の海沿いに軒先を連ねており、そのあたりを歩くと潮の匂いに包まれる。そしてもうひとつ、焼き魚や貝など海産物の匂いにも包まれる。青塚食堂では、獲れたての魚や貝をお店の目の前で大々的に炭火焼きすることで、目の前を歩く人々の視線を釘付けにしている。それらはおいしそうな匂いを人々に届けるだけではなく、その味までも届けてくれる。
そして青塚食堂の看板商品とも言うべきもの、花魚丼がある。私が青塚食堂で一番先に口にしたもの、そして今でも食べ続けているものがこれである。花魚とはホッケのことで、蒲焼きにした大きなホッケが2匹、時には3匹のって出てくる。甘くもありしょっぱくもある自慢のタレがかかり、海産物の出汁がきいた味噌汁やイカのしおからもセットでついてくる。そして嬉しいことにこれが840円という低価格で提供されているのである。財布のひもをかたくせざるをえない学生にとっては、このボリュームにこの安さ、そしておいしさとは、なんといっても目がくらむ一品である。
花魚丼に限らず、海の幸をふんだんに使った食べ物が多く提供されているが、学生の私だけではなく、観光に訪れる方からもきっと満足の一声をいただけるだろう。
(千)