紅葉の季節です

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紅葉の季節です。北国に住むものにとっては、長い長い白一色の季節を耐えるためのご褒美かのような、鮮やかな景色です。特に今年は、紅葉に良い条件が揃っているようで、「10年に一度の美しさ」であると言われています。

紅葉は、日照時間が短くなると、葉の付け根に水分を通しにくい離層という組織ができるために起こるそうです。葉に水分がいかなくなると緑色の葉緑素が分解され、代わりにデンプンが赤いアントシアニンという色素に変化するため、赤く見えます。カロテノイドという黄色い色素を持った木は黄色く見えます。この色素の変化は光や温度にも左右され、同じ葉でも色合いが違うことがあるため、その年の気候条件により紅葉の鮮やかさも違ってくるのだそうです。

これを書いている時点では、山の紅葉はほとんど終わりかけていますが、市街地はまだもう少しの間は楽しめるというところです。
小樽は緑が多いため、いたるところで紅葉を愛でることができますが、私のおすすめは神社や寺院です。樹齢を重ねた見ごたえのある木々と荘厳な建物の織り成す景色は素晴らしいものです。

住吉神社には、立派なイチョウ並木があり、奥には赤や黄色の色とりどりの紅葉が広がっています。
入船にある天上寺は、桜の名所としても有名ですが、紅葉の季節も美しいです。市の指定歴史的建造物にもなっている善光寺を模した本堂と、それを取り巻く赤や黄色の木々はなんとも言えない趣を感じさせてくれます。
また、真栄と潮見台の境にある龍徳寺のイチョウも見事です。車で通るたびに一度じっくり見てみたいと思っていましたが、実はこのイチョウ、2本並ぶ姿から「夫婦の木」と呼ばれて市指定の保存樹木に選ばれているそうです。間近で見ると素晴らしい大木で、その姿は本当に、寄り添って長年生きてきた夫婦のようです。

静かな心になれる寺社紅葉巡りも、素敵な秋の過ごし方かもしれません。暖かいかっこうでお出かけくださいね。

(川)

参考文献:「小樽散歩案内」(ウィルダネス)