歩くのも大変「浄応寺の坂」
小樽の坂は、実際に暮らしている市民からすると、生活する上で何かと大変なことが多いのですが、それがまた、小樽らしさでもありますよね。
坂を上るのは大変ですが、その大変さは、そこから見える景色などと併せて、記憶に残るものでもあります。
さて、今回はそんな小樽の坂の中でも、かなり急な坂「浄応寺の坂」についてです。
この浄応寺の坂は、手宮の石山町にある坂道で、坂の途中の立派な石垣が目に留まる「浄応寺」が、坂の名前の由来になっています。
手宮市場の近くの交差点から入ると、その先に浄応寺の坂が見え、その見るからに急な一本道は稲穂町方面への抜け道にもなってるんです。
実際に上ってみると本当に急で、ずっと前のめりで歩いていく感じで、いつまでたっても急なんですよね。もちろん下る時は気をつけないと、転んでしまいそうになるので注意が必要です。
そして、抜け道のために狭い道路のわりには車の通りが多いので、ふらふら歩いていると危ないです。
坂の途中に建つ浄応寺については、小樽市のホームページ内に逸話が記されていて、大正時代に手宮駅構内で多くの犠牲者を出した大爆発事故が起きたそうで、浄応寺にはその時の慰霊碑が建てられたそうです。
また、昭和31年には、色内小学校や石山中学校が焼けた大火事があったそうで、その際には手宮方面への延焼を防ぐため、浄応寺本堂を必死で守り、なんとか寺と手宮を火の手から守った、というような出来事もあったそうですよ。
ちなみに、坂を上のほうには、平成14年(2002年)に閉校した、旧石山中学校の門が今も残っています。
そして、この坂を上りきり、市街地を望みながら反対側に下っていくと、坂道は色内小学校前を通っているのですが、これまた急なんですよね。
ここは、稲穂方面と手宮方面をつなぐ近道ではあるのですが、歩くにはちょっとしんどい急坂で、小樽らしいとはいえ、やっぱり小樽の坂は大変ですね。
参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」の「第14話 浄応寺の坂(前編) (じょうおうじのさか)」「第15話 浄応寺の坂(後編)」より。
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)