ろうそくのある暮らし

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小樽のイベントとしてすっかり有名になった「雪あかりの路」の主役といえば、白い景色をほのかに照らすろうそくです。雪で作った小さなかまくらに優しく灯るろうそくの灯りを見ると、その中で小さな人たちが暖を取っているというような、愉しい想像に気持ちも温かくなります。

ろうそくの炎は「1/fゆらぎ」というリズムを刻んでいるそうです。これは小川のせせらぎやそよ風などの不規則なリズムのことで、人間の鼓動も同じリズムを刻むため、ヒーリング効果があるといわれています。

我が家では、日常の生活にもろうそくを取り入れています。きっかけは3年前の原発事故で、ライフスタイルの見直しの一環として、電気照明では不必要に明るすぎる場所はろうそくに置き換えることにしています。(ただし、特にうちでは子どもも小さいので、火の取り扱いには十分注意が必要です)
ろうそくが一番活躍するのはお風呂です。お風呂では湯船につかるときは、こうこうと明かりを照らす必要を感じないので、ろうそくを付けて入浴を楽しんでいます。入浴とろうそくの癒しの相乗効果で、リラックスの度合いが上がります。ちなみに、空気をきれいにするといわれるみつろうのろうそくを使っています。
食事の時に、テーブルにろうそくを灯すというのも、なかなか雰囲気が出ます。家に居ながらちょっとおしゃれなレストランに来た気分です。
無理をすると続かないので、ろうそくを生活の中にゆるく取り入れながら楽しんでいます。

原発事故後、キャンドルナイト(夏至や冬至の夜に照明を消してろうそくで過ごそうというスローライフ運動)も様々なところで行われるようになりました。これからの暮らしのことを想像する心の余裕も、こんな時間から生まれるのかもしれません。ものすごい速さで流れて行ってしまう日常が、一瞬時を止め、心もゆっくりゆったりとなるろうそくのぬくもりは、忙しい現代人にとってなんらかの助けになるような気がします。
また、現代では、子どもが炎を見る機会がほとんどないように思われます。ろうそくを灯す行為は、その経験にも寄与するのです。

臨港線から寿司屋通りへ曲がってすぐ、妙見川沿いにある「小樽キャンドル工房」が、私の見る限り,販売しているろうそくの種類が小樽で一番多いのではないでしょうか。ツタが生い茂った石造りの倉庫が店舗になっていて、店内には様々な種類のろうそくがディスプレイされています。みつろうのろうそくも販売されています。
キャンドル作りの体験ができるコーナーも人気があるようです。

(川)