菜はな
天狗山に向かう千秋通りの長い坂の上り始めに、色鮮やかな手作りの幟(のぼり)がたっています。このお店が「カフェ 菜はな」です。仲の良い素敵なご夫婦が経営しているお店で、この幟、オーナーの奥様のおばあ様のお手製だそうです。
オープンして8年目になるそうですが、最初は冬期間は営業していませんでした。しかし2年前からは、1年を通して営業しているそうです。
お店の雰囲気と、おいしく安心して食べられる食事、そしてなによりオーナー夫妻の人柄に惹かれ、私も通っています。
まず目を引くのが建物です。
昭和5年に建てられた古民家で、高く伸びたレンガの煙突は、年月をかけ深い味わいを醸し出しています。内部も床の間や欄間など、細部にも日本建築のこだわりが感じられます。
お店に入ると、大きな玄関で靴を脱ぐことができ、奥は畳敷きの広間になっているので、ゆっくりとくつろぐことができます。小さな子ども連れにもありがたい環境です。(おもちゃや絵本もあります。)
雪が積もるまでは、窓の外に美しい日本庭園が佇んでいます。この景色を見ながらご飯を頂くのも楽しみの一つです。v
メニューは、お年寄りから小さい子どもまで、幅広い年齢層に喜んでもらえるように考えているそうで、スパゲティやカレーから玄米ご飯の和風ランチもあります。量が少なめのお子様メニューも用意されています。
なんといってもうれしいのは、素材と製法にこだわっていること。
旭川産のななつぼしと道産小豆と宮古島の雪塩を2時間かけて炊き上げる玄米ご飯。余市町のスルジェさんのおいしく安全な卵など、素材へのこだわりはここには書ききれません。カレールウやハヤシルウもブイヨンから手作りで、子どもにも安心して食べさせられます。
ゆっくりと食事を楽しんだ後、玄関に向かうと、脱いだ時、端に置いたはずの靴が、正面の一番履きやすい位置に置かれているのです。
この細やかな心遣い。感動的です。
身も心も温まる、そんなお店です。
(川)