サ店

saten_kyoujirou

僕を含め、昭和30年代生まれは「喫茶店の世代」
でないかと思う。
学生時代、多くの時間を喫茶店で過ごしたはずだ。

いろいろな喫茶店に行って集めたマッチの数が、
ひとつのステータスだった。
そのうち、「常連」となる喫茶店ができ、
「いつもの」的な大人びたオーダーができるようになるのも、
ステータスのひとつだった。

友人とのバカ話だけでなく、悩みを打ち明けたり、
「誰にも言うなよ」と言いつつ
翌日には広まる秘め事を告白したり、タバコを覚えたり・・・

まさしく青春の場だった。

 

花園町にある「コロンビア」。
大学に入学して間もない頃、同期の連中とよく行った。
ここの巨大チョコパフェを笑いながら食べつつ、
みんなとの距離感が縮まるのを感じたものだ。

「コロンビア6時間事件」なんてのもあった。
何のことはない、チョコパフェと水で
6時間粘っただけの話である。
「喫茶店でいかに長時間粘るか」という自慢も、
ステータスのひとつだった。

 

「初デートは叫児楼」という人は多いだろう。
憧れの彼女、彼氏と上るあの狭い階段、
そしてあの小さいテーブルで向かい合って緊張して食べる
スパゲッティ・・・・

小さいテーブルを挟んだあの距離感が何とも言えない。
目の前に憧れの人がいる嬉しさと緊張感。

甘酸っぱい想い出を持つ人も多いのではないだろうか。

僕は、オフコースの「Yes-No」を聴くと、
どうしても叫児楼を思い出してしまう。

 

もうなくなってしまったジャズ喫茶「六ペンス」には、
あの垂涎のスピーカー「JBL」があり、
その音が聴きたくて何度も通った。
また、当時では非常に珍しいレーザーディスクが置かれ、
信じられないくらい綺麗な映像で、
ドゥービーブラザーズのライブをみせてもらったりもした。

 

喫茶店のあの独特の雰囲気と空気感、やっぱ好きだなあ。

 

こう書いていると、コーヒーが飲みたくなる。

我が家では、たまにではあるけれど「マリーローランサン」の
コーヒー豆を取り寄せる。
コーヒー好きだった亡き義父が通っていた
喫茶店のコーヒー豆である。
このコーヒーも実に美味しい。
あまり味にうるさくない僕でも、飲めばすぐ分かる。

 

皆さんにとっての思い出の喫茶店はどこですか?

(みょうてん)