初雪
小樽に初雪が積もった。
翌朝、カーテンを開けると、毛無山が真っ白。
よしよし、これで日が昇ったらもっと綺麗に見えるはず。それまでの時間、久しぶりに散歩に出かけよう。
外気温は2℃、ジャケットの下にはフリースも着て、帽子も手袋もはいて、カメラもお供に持って行く。
ひんやりとした空気が気持ちいい。寝ぼけた頭の中が急に冴え渡っていく。
住宅街の中をカーブしながら通る緑道には、赤や黄色の落ち葉と白い雪で作られたカラフルな絨毯、坂を登りきって振り返ると朝焼けでピンクがかった空と街の向こうに広がる海。
「ああ、小樽に住んでいて良かった」と思う瞬間。
小樽の朝は美しい。海も山も街も一度に見えるから。
小一時間ほど歩いて戻ってくると、思ったとおり朝日が毛無山を照らし出していた。夕べの雨まじりの雪が枝について凍ったのか、樹々の枝まで真っ白。手前には紅葉のラストを飾るカラマツと常緑樹。昼までには溶けて消えてしまう白と黄色と深緑の景色。
また雪が降ったら見れるかって?
いえいえ、その時にはもうカラマツの黄色はなくなっているかもしれないから。
(まがらりか)