マリンホール

 マリンホールは、小樽駅から港に下りる中央通り、今は市民公募で新名称セピア通りとも呼ばれているが、ここを小樽駅から400mほど行くと左側に大通りから50mほど先に見えてくる。遮蔽物がないので大通りからもよく見える。

 ここは平成7年(1995年)に竣工した小樽市民センター、通称マリンホールと呼ばれる中規模ホールである。元々この場所には、宿泊施設も備えた小樽市労働会館と海員会館が並立して建っていた。なんとも言えない趣のある古い建物だったのだが、長年の市民からの中規模ホール建設要望に関する答えということで、取り壊し新築なったのだ。

 ご存知、小樽には千人以上の集客が可能な小樽市民会館が小樽公園内にある。ただ、千人規模のイベントとなると市民主催としては、なかなか不都合が多い。そこで集客半分弱程度の新ホール建設を多くの文化・芸能関係者を中心に待ち望んでいた。

 現在は、日本舞踊、詩吟、フラダンス、ヒップホップダンス、ピアノ教室、エレクトーン教室、カラオケ教室等の発表会、自主上映の映画会、講演会と多岐にわたり使われている。

 私も、講演会、映画上映会のお手伝い、カラオケ発表会の司会、日本舞踊、フラダンス発表会の鑑賞等、数え上げれば枚挙に暇がないほど訪れている。建設から既に四半世紀の時を経過しているのだが、外観、内観どちらもとても綺麗で、つい数年前に建ったといっても通るほど保全されている。

 また、ここの2階には各種組合事務所が軒を連ねている。これは、前述した労働会館時代に店子だった組合が既得権で入居しているわけである。私たちの音楽イベントに毎回ご後援いただいている小樽市公衆浴場商業協同組合(銭湯組合)さんも入居しているので、加盟銭湯さんへのポスター貼付のお願いに、手宮側にある裏玄関から年に何度か顔を出している。

 最後に、ここの入口正面玄関を入ってロビーの正面壁には、小樽を代表する世界的版画家「一原有徳」氏の大作が飾られている。これを見るだけでも一見の価値がある。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年6月時点の情報に基づいたものです。