桜ロータリー
桜ロータリーは小樽唯一の円形交差点である。同じ道内でも国道にある旭川の常盤ロータリーや釧路の幣舞橋ロータリーに比べると、少々小ぶりのロータリーではある。
私が免許を取った朝里自動車学校では、この桜ロータリーを折り返すのが路上教習コースの一つとなっていた。最初はどうロータリーに入ってどう出ていいのかよく分からず、難儀した思い出がある。
教習車は桜本通りからロータリーに入るのだが、大外をゆっくり一周回りまた桜本通りまで戻って出て行ったような記憶がある。途中から車が合流したり出て行くので、教官の指示通りに、車を動かしていただけだった・・・。
私が現在、桜ロータリーに行く方法はほとんどが以下だ。
平磯公園方面からだらだら坂を下ってきて、ロータリーに入り、桜本通りを通り過ぎ、朝里・望洋方面に抜ける。交通量はさほど多い所ではないので、そのまま中心植栽に向い、最短距離で出て行くのが多い。前述教習車の時と大違いだ・・・。
たまに中心付近で停まっているロータリー交差点に慣れていない車に出会うことがある。まさか窓を開けて指示することもできず、あー、困っている・・・かわいそうに・・・と心の中で思うだけであるのだ・・・。
さて、この桜ロータリーの歴史であるが、人家もまばらだった昭和初期の田園都市構想の一環として造られたものである。北の誉で有名な丸ヨ野口商店の2代目野口喜一郎氏を中心に40万坪の土地区画整理事業が昭和9年(1934年)から始められた。この桜ロータリーができたのは昭和13年(1938年)頃のことと思われる。
パリの凱旋門などヨーロッパの旧市街地には、放射状に延びた街並みを見る事がある。日本でも東京の田園調布などでも見られるが、このような街並みを作ろうと考えたのだろう。
この桜ロータリーの街並みは、地上にいると見る事はできないが、航空写真や地図だと、きれいな放射状の街並みを形成している。
(斎藤仁)