旧住吉中学

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 住吉中学校は平成14年(2002年)3月31日をもって石山中学校、東山中学校共々55年の歴史に幕を下した。

 戦後の学制改革で旧制中学のほとんどが新制高校になり、新たな新制中学が一斉に誕生した昭和22年(1947年)の創立で、旧制小樽市立中学校だった長橋中学、旧制小樽市立高等女学校だった旭ヶ丘中学(現西陵中学)を除き、同じような歴史を擁するわけである。

 我が家では倅が入学した平成12年度の1年間だけお世話になり、翌年、一学年上(いっこうえ)の生徒だけを残し、菁園、潮見台の両校に転校して行った。ちなみに倅は菁園中に行かせていただいた。

 住中の存在を私は昔から知ってはいたが、校舎が双葉高校の隣だったのを知ったのは、高校に入ってからだった。ずっとその住中の校舎は双葉高校の一部だと思っていたのだ。 

 そこは当時として珍しく、鉄筋5階建ての校舎で敷地面積も小さく、東京など大都会のビルに囲まれた学校のようだった。一緒に閉校になった石山中学校のグラウンドのみの面積と住中の校舎、グラウンド、職員駐車場等すべてを含んだ面積が同じだったというから小ささもご理解いただけると思う。

 確かな資料で確認はしていないが、おそらく小樽の中学校の中で一番敷地面積の小さな学校だったと思うのだが・・・。

 実は、住吉中学閉校記念誌を拝見して愕然としたことがある。その記念誌には、初年度から各年度各クラスの卒業生集合写真がすべて掲載されていた。

 昭和20年代前半の写真は、前列に座る卒業生の中に、裸足の生徒が何人かみられ、またどうみても小学生にしか見えない体格の生徒たちが多数いたのである。卒業写真なのだから、前撮りしたとしても1-3月の寒い冬の最中と推察できる。昭和10年前後にお生まれの先輩方の年代であった。

 その後、昭和30年代の写真になると、体格などは現在の状況に近づき、世の中の移り変わりが顕著に表れているようだった。

 現在の住吉中学跡は、2004年から双葉高校付属の双葉中学、小樽初の私立中学校、中高一貫校となり小樽の教育界に新風を巻き起こしている。

(斎藤仁)