ついつい見上げる天狗山
私は小樽の街中に出かけている時など、無意識についつい天狗山の方向を見上げてしまうんです。
小樽の街並と小樽港を見渡すように構える天狗山は、標高こそさほど高くはないですが、小樽を象徴するような山で、今は観光スポットとしても人気ですが、もちろん、小樽市民にとってはとても馴染みのある山ですよね。
天狗山は、その季節ごとに色々な表情を見せてくれます。
夏には濃い緑に覆われていた山の色合いは、秋になると赤や黄色に染まり、そして茶色へと変化していき、今年は10月の初冠雪で、薄らと雪化粧をしました。
そして、11月、12月と本格的に雪が降り出すと、山は雪に覆われてくるのですが、天狗山は冬の間はスキー場としても親しまれている山なので、ゲレンデの整備されたコースは雪で真っ白になるのですが、そのコースの周りの木々は茶色く残るんですよね。
この山の木々の間を、コースを描くように綺麗に雪化粧をした天狗山の風景が何だかお気に入りで、そのせいか、この時期は特に、街へと出かけている時でも、ふと視線を上げて、天狗山の方向を見てしまうんです。
すると、建物の上や隙間など、結構、街のあちこちから天狗山の様子が少しだけ見えたりするんですよね。もちろん、視界が開けた場所や高台などから、綺麗に天狗山全体を見渡せた時は、その眺めにちょっと得した気分になったりして。
掲載の写真は、雪が降り始めた今年の11月の下旬に、小樽公園の花園グラウンドを前にして見た天狗山です。
この場所から天狗山の眺めが結構好きで、時々見に来るんですが、これから本格的な冬を迎えると、さらに山が白く覆われます(この記事が掲載される頃は真っ白かな)。
見る場所によって、その表情は違いますが(そして、その見え方もまた、人それぞれの天狗山ですね)、この天狗山のある風景もまた、小樽らしい、小樽の暮らしに溶け込んでいる風景ですね。
天狗山はこれから本格的なスキーシーズンを迎えます。今年は何回スキーに行けるかな。
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)