かまぼこ

daihachi_kurihara_kamaboko

小樽の定番お土産の1つとしてかまぼこが思いつく人もいるだろう。
中でもかま栄のかまぼこの知名度は群を抜いている。
テレビなんかでも、パンロールを食べながら歩く姿を見たことがあるほどだ。

けれども小樽にはそれ以外にもかまぼこ屋がある。

私が紹介したいのは大八栗原蒲鉾店というお店だ。
正直、小樽に通いに来るまで小樽のかまぼこ市場はかま栄の独占市場なのかと思っていた。
だが実際には、地域住人に愛され続ける老舗が存在した。

そもそも、かまぼこと聞いて何を想像するだろうか。
私なら間違いなく、赤と白で半円柱型になって板にくっついた、おせちなんかで食べるあのかまぼこを思い出す。
しかしそれはかまぼこのごく一部であって、店に並んでいるかまぼこの大半は揚げられたものだ。
さつま揚げといった方がなじみ深いかもしれない。
私はそもそもさつま揚げがかまぼこの一種であることを、恥ずかしながら知らなかった。

店内に入るとそのかまぼこのいい匂いがする。
そして見るからにいい人そうな店員さんと軽く会話を交わしながらトレー内の商品を選んで買う。
スーパーで、すでにパッケージされたものを買うことしかしてこなかった自分にとって、それは新鮮な体験だった。
それこそ画面の中で、有名人がぶらり旅と称しながら行っていたそれを経験したことに、ちょっとした喜びを覚えた。
テレビに出ていた有名人たちが楽しそうにしていたのは、きっと演出や演技じゃないところもあるのかもしれないと思った。
スーパーでの買い物は効率化を目指した1つの答えなのかもしれない。
値段やクオリティ以外の場所で勝負するなら効率化をするのは当たり前だ。
しかし、店員さんとコミュニケーションをしながら買い物をする姿こそ、商売のあるべき姿なのかもしれないとも感じた。

今回、おたるくらしの記事を書くことにあたっても、快く許可をしていただいた。
取材終わりに「お祭り棒天」を1本買って食べながら帰った。
もちろん気分は食べ歩きぶらり旅だ。

(えりまくとかげ)