松ヶ枝町のこんな所に金毘羅さん

konpirasan

目の前に天狗山が迫る松ヶ枝町の、さらに緑あふれる自然の中に、“金毘羅(こんぴら)さん”と親しみを込めて呼ばれる、高野山真言宗の寺院「天狗山 金毘羅大本院」が建っています。

と書き出しましたが、小樽市民でも、この金毘羅さんがどこにあるのかよく分からないという方が多いと思います。だって、松ヶ枝町の住宅街から外れて、さらに木々に覆われた坂道を上っていく、本当に結構な山の中にあるんですから。

その坂道を上った先に、仁王像が安置されているこじんまりとした山門があり、そこから小径を上ると境内の広場に出て、やっと寺院を目にすることができます。

といっている私も、金毘羅大本院に関して詳しく知っているわけではないのですが、小樽に建立されたのが大正15年(1926年)と知って、その歴史にちょっと驚きました(本堂などの現在の建物は、古いものではないようです)。

さて、この金毘羅さんですが、7月の例大祭の時に行われてきた、80年以上も続く火渡りの行事(柴灯(さいとう)大護摩法要)が、手伝う信徒らの高齢化などの理由から、惜しまれながらも今年(2015年)の7月10日で最後となってしまったそうです。

と、これもこうやって書いてますが、金毘羅さんで火渡りが行われていたのは、知ってはいたものの見たことはなく、ましてや80年以上も続いていたなんてことは、全然知りませんでした。

最後の年に見に行くことができたのですが、大勢の参拝者が集まる中、積み上げられた材木に火がつけられると一気に燃え上がり、激しく燃え続ける炎には、ついつい見入ってしまいました。

その後、丁寧にならされた灰の上を、僧侶たちに続き参拝者が、願いを込めながら次々と素足で渡っていくのですが、このような火渡りの行事が、こんな身近で行われていたとは…

金毘羅さんには、なかなか行く機会はないかもしれませんが、このような火渡りの行事が長年行われていたというのは、記憶に留めておきたいですね。

それにしても、小樽にはまだ知らないことがたくさんあるようです。

参考:サイト「小樽市 金毘羅大本院 」
写真:小梅太郎の「小樽日記」

(小梅太郎)