浅草橋街園
浅草橋街園は日本有数の観光地小樽運河の中で、一番の人気スポットである。小樽運河を全国に知らしめた写真は、ここから小樽運河、石造倉庫を写したものである。ここで営業している写真業者は、自分たちの写真が、小樽運河を全国区にしたと自負している。
小樽運河を訪れる観光客の多くは、ここで運河をバックに記念撮影をして帰るのが、定番となっている。また、四季問わず多くのアマチュア写真家、日曜画家が創作のためここを訪れている。
ここは昭和61年(1986年)、臨港線が開通し、小樽運河の半分が埋め立てられた時に誕生したものである。ここの他、小樽駅をまっすぐ下りた中央橋、それより一本手宮側の龍宮橋にも街園はあるのだが、ここのように多くの観光客が訪れることは、同じ小樽運河なのにほとんど無いのが現状だ。
ちなみに、中央橋と龍宮橋の両街園は北海道の土木現業所管理で、浅草橋だけがなぜか小樽市の建設部管理となっている。
私たちは平成16年(2004年)7月から、「おたる☆浅草橋オールディーズナイト」という音楽イベントを平成23年までの9年間この街園で開催している。
「小樽運河で市民が楽しめる音楽イベント」というコンセプトで企画開催したが、初年度はなかなか出演バンドが集まらず大変苦労をしたが、小樽運河をバックに演奏するという魅力が瞬く間に北海道のアマチュアバンドに広まり、2年目以降順調に出演バンドは増えて行き、6年目の平成21年(2009年)には、1ステージとしては北海道最大となる50バンドが参加する一大イベントになっていった。
また、それらのバンドマンから浅草橋街園は「バンドの聖地」と崇められ、毎年出演申込が始まると、出演希望バンドが引きを切らぬ状態が続いている。
しかし、特に海外からの観光客増加に抗しきれず、小樽市観光振興室との協議の末、第3号ふ頭基部旧合同庁舎跡に新たに造成された多目的広場に、平成25年(2013年)から会場を移して開催している。しかし、イベント名はいまだ浅草橋を冠している。
(斎藤仁)