雪割りの音が響けばもうすぐ春
小樽もようやく長い冬が終わろうとしています。
今年は2月中旬からあまり雪が降らず、3月に入って一度大雪が降りましたが、その後は比較的穏やかな気候で、市街地の道路の雪はもうすっかりなくなってますね。
この原稿を書いている時点でも、かなり雪解けが進んでいて、このまま春を迎えそうな勢いですが、小樽は周囲を自然に囲まれているのもあって、ちょっと市の中心街を離れると、まだまだ雪が山になって残っています。
この時期は、雪解けを促すために、各家庭では周辺に残る雪をスコップなんかで、ザクザク、ガシガシと削って、雪を崩していくんですよね。
これが「雪割り」という作業ですが、天気の良い日なんかは、皆さん玄関先に出てきて、雪割り作業をするので、ザクザク、カンカンという音が近所に響くんです。
積もった雪に、スコップをザクザクと刺していくだけでも、天気の良い日は随分と雪解けが進みます。
例年に比べて、今年はそうでもないのですが、積もった雪の下は固く凍って氷になっていることが多くて、そんな時に活躍するのがツルハシです。
雪割り、氷割り用にと、ツルハシがお店に売っているというのも、考えてみたら雪国ならではですね。
このツルハシを使って氷を割っていき、その下にやっと地面が見えてくると、ちょっと嬉しかったりするんですよね。なにせ、冬の間は“地面”はあまり見ることがないですから。
考えてみたら、放っておいても、雪はそのうち解けてなくなるのですが、こうやって、少しでも早く、雪のない春を迎えたいんですよね。
ただ、個人的には、あれだけ雪かきで苦労させられた雪なのに、何だか解けてなくなってくると、わがままなもので、ちょっと寂しかったりして、少なくなった雪の上を歩いたりしてます。
ということで、小樽ももうすぐ春です。
今日もご近所からザクザク、カンカンという音が響いてますが、この雪割りの音は、春を迎えるこの時期ならではの音ですね。
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)