もうひとつの地獄坂

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坂の街・小樽には、名前がついていて知られている坂道がいくつかありますが、その中でもよく知られている坂道の一つが「地獄坂」ですよね。

小樽商科大学へと上っていく商大通りに、この地獄坂の名前がついていますが、その小樽商科大学の始まりである第五高等商業学校が開校した、明治44年の翌年の「小樽新聞」に、すでに地獄坂の名前が登場しているそうです。

開校当初から、この厳しい坂道にその名前が使われていて、そして今も学生たちが、そして、市民の皆さんが毎日上り下りしてるわけですね。

さて、この「地獄坂」という名前なんですが、知っているかもしれませんが、観光マップによってはもうひとつ、すぐ近くの別の坂道に地獄坂の名前がついてるんです。

そのもうひとつの地獄坂は、小樽警察署の前の坂道です。

国道5号線の産業会館のある交差点から山側に上る、このもうひとつの地獄坂は、まずは急な坂道となっていて、その先の線路の上に架かる橋(富岡跨線橋)を渡ると、右手に小樽警察署が建っています。

ここは山手線のバス通りになっていて、小樽警察署前を過ぎてさらに上っていくと、バス通りは左に大きく曲がるのですが、坂道はそのまま真っすぐ、その先の浅草寺まで続きます。

この坂道沿いには小樽警察署の他に、上のほうには地方検察庁、さらに現在は移転してますが、以前は税務署もあったんですよね。

で、市民には敷居の高いこういった役所が並ぶことが、地獄坂の名前の由来だと言われているそうですよ(参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」の「第18話 地獄坂(1)(じごくざか)」より)。

小樽商大へ向かう地獄坂に比べると、こちらは後から付いた名前のようで、あまり一般的ではないかもしれませんが、地図に載っていることがあるかもしれませんので、こちらの地獄坂のことも覚えておいてもいいかもしれませんね。

それにしても、よく考えれば地獄坂とは何とも物騒な名前ですね。

写真:小梅太郎の「小樽日記」

(小梅太郎)