小樽稲荷神社と保全樹林
手宮公園に向かう急な坂道「励ましの坂」は、最近テレビ番組などでも取り上げられて話題になってますが、その坂道を上りきったところに、生い茂った木々に囲まれるように鳥居が建っています。
今回は坂の話ではなくて、ここに建つ神社についてなんですが、この周囲の木々と共にとても趣ある佇まいを見せている神社が「小樽稲荷神社」です。
お祭りやイベントなども開催されており、地元の方々には馴染みの神社だと思いますが、“小樽”という名前がついているのも気になるこの稲荷神社について、ちょっと調べてみると、創建は元禄3年(1690年)ということで、かなり古いんですね。
社殿は何度か場所を移しているとのことですが、明治42年(1909年)の大火災を機に、現在地に移転改築したそうで、現在の社殿は翌年の明治43年(1910年)に竣工したものだそうです。
なんと、これまた歴史がありますね!
小樽稲荷神社という名前になったのは、大正元年(1912年)とのことです。
実際、参道の奥に建つその社殿は小さいですが、とても歴史を感じさせる建物で、落ち着いた境内の雰囲気と相まって、素敵な眺めを作り出しています。
境内は広くはないのですが、周囲に生い茂る樹林がまた、とてもいい雰囲気なんですよね。
特に秋の紅葉の時期になると、励ましの坂を上ってきた先に見えてくる、鳥居を囲むように茂る木々が綺麗に色付き、これがなかなかの風景を見せてくれます。
その神社周囲の樹林ですが、実は、小樽市から保全樹林として指定されている、とても貴重な自然林なんだそうで、明治43年の神社の新築移転当時よりあった樹林だそうですよ。
(実は鳥居横に、その案内板が立っているのですが、気付きましたか?)
なるほど社殿と同じく、この樹林も歴史があっての、この趣なんですね。
そういう話題を頭に入れつつ、ここの木々に囲まれた境内を歩いてみると、また違った味わいを感じられる(?)かもしれませんね。
参考:書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社 ウィルダネス)
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)