展望台からみた朝日
あれは確か2年の夏、テスト勉強が終わった朝方に、友達と朝日を見に行くことになった。
時刻は午前6時くらいだったろうか。あたりはまだうす暗く、まだ見えている星すらあった。僕たちは懐中電灯で道をともしながら、展望台を目指す。
夏といっても、朝方はかなり冷え込んでいる。僕たちは温かいコーヒーを片手に、山道を進んでいく。
だんだんとあたりが明るくなりはじめ、15分ほど進んだところで、駐車場がみえてきた。展望台はすぐそこである。歩く足を早めて、展望台にたどりついた。
水平線上の空は赤くなりはじめ、まだ青い上の空とのコントラストが綺麗だった。
海に浮かんでいる船は漁船だろうか。船の通った後の波が、ここからでもよくわかる。
JRの線路がよく見え、汽笛を鳴らしながら走っている様子もわかった。5号線には、タクシーやトラックが走っているのもわかる。
そんな街をみているうちに、真っ赤な朝日が現れた。そのときの写真がこれである。
赤い光の線が放射状に伸び、小樽に朝を告げていた。
すっかり旭展望台の虜になってしまった僕は、この後も何度かここを訪れたが、いつも変わらない景色があった。いつかここに戻ってきたときも、変わらない景色のままであってほしいと思っている。
(東)