公園から見る桜と海
ぽかぽかとした日差しの中でまだ少し涼しい風が吹き、ひらひらと花びらが落ちていく。私は昔から桜を見るのが好きだ。他県と違い5月頃に咲く北海道の桜。全国ニュースではもう取り上げられることのないこの時期に、ひっそりと春を楽しむ優越感のようなものを感じるのだ。
今年の5月に初めて手宮公園を訪れた。お花見スポットをインターネットで探しているときに「海と桜が一望できる」という謳い文句に心惹かれ、行かずにはいられなくなったのだ。
小樽駅から車に揺られること数分、小高い丘の上にたどり着いた。車の中からすでに感じる美しい情景。なぜかどきどきと緊張しながら車を降りると、さわさわという桜が風に揺られる音があたり一面から聞こえてくる。
心地よい風を感じながら進んでいくと、たくさんの桜の向こうに海が見えてきた。下は地面の緑、その上は桜のうすピンク、さらに上は海の深い青。対照的な色なのにすべてが調和している風景に、思わず息をのんだ。しばらくその場に立ち止まり、体全体でその美しさを感じた。
初めて見る美しい情景、ほのかに感じる緑の香り、静かな風の音。なんだか心が浄化されるような感覚だ。日々の疲れやいらいらが、すべてどうでもよくなるような気がした。そうだ。私は小樽のこんなところが大好きなのだ。
小学生のころ、初めて小樽に訪れたときから、私はその独特な雰囲気に魅了されていた。ゆっくりと時間が進むような心地になり、非日常を感じる。
小樽にいる間は日々の生活を忘れ、リフレッシュできるような気がするのだ。特にコロナ禍でたくさんのことが制限される生活を送っていたので、手宮公園の開放的な空間は私の心を落ち着かせた。
またリフレッシュしたくなったらここに来て、ゆっくり散歩をしよう。ここに来れば疲れも何もかも吹き飛ばしてくれるだろう。そんな気持ちになれた。
ゆったりとした空間が日常を忘れさせ、すっきりとさせてくれる。小樽はそんな場所がたくさんあり、私を癒してくれるまちなのだ。
(もも)
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※本記事の内容は2021年7月時点の情報に基づいたものです。
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写真:眞柄 利香