同期会

1981年に小樽商大に入学した僕ら5人の軽音楽部同期連中も、ついに還暦を超えた。本当は、去年みんなで集まってお祝いする予定だったが、コロナの影響でそれは果たせずにいた。
が、今年、ついにその会を実行した。
それも、小樽一泊である。

学生時代は、一人を除いて小樽のアパートのひとり暮らしだったから、朝まで花園町で飲んだら、あとは男臭い自分の部屋に帰って寝るだけだった。
なので、僕らにすると「小樽のホテルに泊まる」ってこと自体が実に新鮮で面白いのだ。

そして当日、5人は揃った。

5人の中にはお互いに10年以上会ってない奴らもいたが、それも「おう」「おう」という挨拶だけで、全ての空白が埋まってしまう。

考えてみると、すごいことだな。

そして、還暦祝いは始まった。

1次会は「山田屋」。
花園のガード下にある超有名店である。
昔「一心太助」だったところだ。
もう場所からして懐かしい。
なんせ、僕は40年前にそこから徒歩2分のところに住んでいたのだ。

一瞬にてあの頃に戻り、くったらない話をして喜ぶ。
昔と何も変わらない。
小樽にいるという空気がそれに拍車をかける。

そして、2次会は「はつ花」。

僕らが学生の頃からあったおでん屋であり、あの頃、コンパで先輩たちの数々の乾杯に耐え、酔い潰れなかったものだけが辿り着けるゴール地点でもあった。
久しぶりの「はつ花」は昔のままの佇まいで、店に入ると一気に昭和に戻る。

が、僕らは60代。
「老人への入り口に立った」という現実もあり、どうしてもこれからの話になってしまう。

仕事が面白くて70歳まで働くつもりの奴、働きたくないけど、生活のためあと数年は我慢する奴、代々受け継いだ老舗の店をどうしようかと悩んでる奴、還暦を期に会社を辞め、日本にある全ての日本酒の酒蔵を訪ねる旅に出るという奴。

暗い話になるかと思いきや、酒蔵を訪ねる旅に出るという夢を叶える奴の話に5人はさらに盛り上がり、お店にあった300mlの瓶の日本酒をすべて飲み干してしまった。

そんで、テロンテロンになりながらも「まだまだこれからよ」と3次会に向かった。

そう、人生はまだまだこれからよ。

3次会に向かう途中、僕はいちばん後ろで、都通り商店街を歩く4人の酔っぱらいの後ろ姿を見ていた。
そして、こんな愉快な奴らと出会えた40年前の小樽に感謝した。
そして、テロンテロンになって歩く4人の後ろ姿を写真に収めながら、
「お前ら、頼むからいつまでも長生きしてくれ」
と願っていた。

・・・残念ながら、そのあとの3次会については記憶がない。

(みょうてん)