昔ながらの姿

これから、「てまり食堂」という店を通して感じた小樽を読者に伝えていこうと思う。小樽駅から徒歩五分程のところにあり、店主のおばさんが一人で店を経営している。

外見や内装は今どきの綺麗な料理店のようではない、古めかしい印象を感じさせるものだ。実際この店は昭和の時代から続いていて、とても歴史の深い店であるので納得だ。

私自身は平成生まれで昭和のことなんて全く知らない。しかしこの店が醸し出す雰囲気は、世代ではない私にですらどこか懐かしさを感じさせる。
近くに小樽駅があり、国道も通っているのにも関わらず店内はとても静かで、厨房の上のところにあるテレビのニュースや他のお客さんと店主との、何気ない世間話の音や声だけが静かに聞こえてくる。
ドラマや漫画で見たような昔ながらの景観が現実でそこに残されていて、なんだか自分がタイムスリップしたような気分になった。

何故私が「てまり食堂」を取り上げたかというと、この店を通して、小樽は古い時代のものを大切にしている街であるということを知れるからだ。小樽以外にもこのような所はあるのではないか、わざわざ取り上げるようなことか、と思うかもしれない。

しかしこの店、先程も書いたように小樽駅からそう遠くない所にある。観光地として栄えている街の駅周辺で、昔ながらの風景を見られる所は小樽以外ではなかなか見られないだろう。他の街では宿泊施設などの観光施設のために、そんな昔のものは消されてしまうだろうから。

この店だけでなく、小樽には「てまり食堂」以外のいろいろなところにも、古き時代の景観が残っている。小樽に来たときは、ぜひこのような老舗にも足を運んでみてほしい。私のように全くその時代を生きていないけど、昔はどのような時代だったのかを直接体感してみたい人にとって、小樽はうってつけの場所であるだろう。

(たすく)


※本記事の内容は2019年7月時点の情報に基づいたものです。