熊谷テント製作所

 熊谷テント製作所は祝津2丁目にあるテント製作工場である。現在の三代目社長熊谷嘉行さんは、北海学園大学の後輩で、さらに小樽青年会議所で一緒にまちづくり運動をしてきた仲間でもある。

 熊谷テントさんには、私たちが主催する野外音楽イベントのステージ用透明テント天幕を作成いただき、勝手ながら会社倉庫に、一般貸出テントと一緒にお預かりしていただいている。

 また、社長の弟で専務の熊谷広司さんとその息子さんは、潮まつりと同日開催している「中庭ビアガーデン」や、運河プラザで毎月開催している「お気楽ライブ」にご出演いただいているミュージシャンでもある。

 この熊谷テントさんが今年(2020年)3月26日、小樽市新技術及び新製品開発助成事業での指定を受けたと、北海道新聞小樽後志版に大きく掲載されていた。蓄光素材を用いたクッション材の開発と商品化という事での助成指定なのだそうだ。この蓄光素材とは、階段手すりに付けると暗くても1-2時間ほど光って階段傾斜がわかるというすぐれもののようだ。東日本大震災やブラックアウトを経験した私たちにとって、その助成を元により一層いろいろな商品開発を期待する次第である。

 さて、熊谷テント製作所の歴史を少し紹介する。昭和17年(1942年)、社長のお祖父さん熊谷久作さんが創業し、昭和35年(1960年)お父さんで現在会長の熊谷賢蔵さんの時に法人登記している。

 現在の祝津工場に、運河沿いの色内2丁目から移転して来たのが平成2年(1990年)だそうだ。工場の2階が事務所になっていて、私が訪問すると金庫番の律子お母さんと社長の奥さんが出迎えてくれる。お母さんは、日本舞踊の名取でおたる潮まつりの初日ふれこみには社中として、二日目ねりこみにはいろいろな梯団で参加し、小樽の街を練り歩いている元気で明るい女性だ。このお母さんの影響を受け、熊谷テント社員でもある嘉行社長長男匡紘さんが日本舞踊を趣味としている。

 今年の野外ライブイベントでも、ステージ天幕はもちろんの事、飲食テント、出演者控室テント等、熊谷テントさんのお世話になることになる。野外イベントは、午後8-9時に終了すると、その日のうちに会場を原状回復しなければならない。夜中に熊谷テント社員総出で撤収に集合してくれるのは、たいへん心強いことなのである。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2020年4月時点の情報に基づいたものです。