藤幼稚園

 富岡1丁目にある藤幼稚園は、札幌の藤女子大、藤女子高を運営する学校法人藤学園が運営する8つの幼稚園の一つである。また、小樽市歴史的建造物に指定されている昭和4年(1929年)築小樽カトリック教会富岡聖堂に隣接している幼稚園でもある。

 私が子どもの頃は、地域のランドマークである富岡聖堂の尖塔が藤幼稚園そのものだと思っていた。

 岩見沢天使幼稚園に奉職していた亡き母が、藤幼稚園に研修に来たことがあると、その尖塔を見ながら言っていたことがあったのだが、藤幼稚園は創立した昭和9年(1934年)から昭和34年(1959年)までマリア幼稚園と名乗っていたので、研修を受けたのは、私が生まれる以前の話しであるので、マリア幼稚園の頃と思われる。本人は頑なに藤幼稚園だと言っていたのだが・・・。

 今のように幼稚園に送迎バスのない今から半世紀以上前の私たちの時代は、最上町や緑町に住んでいた子どもたちは、この藤幼稚園までバス通園していたと卒園生の同級生は教えてくれた。

 藤幼稚園のある商大通りにバス停はないので、最寄りの緑第二大通りにある「商大通り」バス停で下り、蟻の行列よろしくテクテクテクテク、園児たちの朝の通園風景が楽しめたのだろうかとつい想像してしまう。

 幼稚園児のバス通とはすごいなという話しになったのだが、みんなバス通していたので、なんとも思わなかったし、車で送迎する親もいなかったと前述卒園生は、記憶を確かめながら教えてくれた。

 私の通った緑小学校、松ヶ枝中学校ではこの藤幼稚園と緑2丁目まや幼稚園の卒園生がほとんどを占めていた。幼稚園時代の話しになると必ず藤幼稚園とまや幼稚園、どっちが上だとかの話しになり、部外者の私は蚊帳の外状態になってしまっていた。

 そういえば、緑1丁目に住んでいた石原慎太郎、石原裕次郎兄弟がこの藤幼稚園の卒園生だという事を、昔石原裕次郎が小樽を旅するテレビ番組で言っていたのを思い出した。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2019年12月時点の情報に基づいたものです。