海と桜の共演

 小樽の海、運河、桜の花や木々。これらを同時に一望できる場所。それは手宮公園である。

 この公園の最大の魅力は木々の間から見える海、そして桜との共演だ。
 この手宮公園では5月下旬~中旬に、エゾヤマザクラやソメイヨシノなどが約700本咲く。大きく開け放たれた野原へ出ると、野原でレジャーシートを敷くファミリーと、その周囲に大きな桜の木々、その先一面に広がる海が見える。野原には傾斜がある。それもまたいい。小樽といえば坂である。その坂と、海と、桜と。こんなに贅沢な公園などあるだろうか。

 そして、まだ贅沢なポイントがある。この手宮公園では、四季折々の景色を楽しむことができることだ。春は桜、夏は青々とした葉、秋は赤く色づいた葉、冬は一面雪景色。とても木々が多いため、四季を感じやすい。また、手宮公園には、緑化植物園や陸上競技場まである。そこで、運動するのもいいだろう。

 このように書いていると、小樽の観光向けの施設のように聞こえるかもしれない。しかし、もちろんこの手宮公園は市民の憩いの場でもある。四季折々の草花や海を眺めながら散歩したり、どこかでゆっくりと腰掛けたり。野原に座って絵を描いていたり、老夫婦がベンチに腰掛けて海を眺めていたりする光景を見ることもある。

 そして、この手宮公園には、それほど大きくはないが、遊具が置いてある。そこのブランコが私はお気に入りだ。ブランコの目の前には海が広がる。ブランコをこげば、海に向かってダイブするような感覚になる。こんな爽快なブランコはなかなかないだろう。

 手宮公園は、誰もが楽しめる見所いっぱいの公園だ。たしかに小樽は観光地が多い。しかし、地元の人も日常から親しんでいる観光地もある。小樽は観光客にも地元の人にも愛される、そんな街だ。

(スクランプ)


※本記事の内容は2019年7月時点の情報に基づいたものです。