通り過ぎてはいないか?

皆さんはきっと通り過ぎている、小樽の名物が集結するあの場所を。
そこは小樽駅に向かって左側にある、駅前第一ビル1階だ。

そこには、CMでもお馴染みのかま栄、老舗の新倉屋、やさしそうな店主が営むベーカリークリハラなど、素朴だが小樽を感じさせる店が集結している。

特に、私は新倉屋のだんごが大好きだ。1本税抜き90円という手ごろな価格で販売される串団子は、3色だんご、黒あんだんご、白あんだんご、抹茶あんだんご、胡麻だんご、お正油だんごの全部で6種類だ。

私が美味しそうだなと思いながらだんごを見ていると、「何本でもいいですよ」と、店の従業員が優しく声をかけてくれた。そこで、私はお正油だんごと胡麻だんごを1本ずつ買うことにした。
JRに揺られながら食べるだんごは1つの串に4個のだんごが刺さっており、やわらかく、甘すぎず、小樽のあたたかさを感じさせた。

他の店にも美味しそうなものがたくさん売っていた。かま栄のかまぼこもⅠつから持ち帰ることができ、ベーカリークリハラのパンも1つずつ袋に入って販売されていた。おそらく電車の中でつまむのにちょうどいいように、という配慮からだろう。

そんな駅前第一ビル1階は、駅前の大通りに面している割にはそこまで客が多くないように思う。商大生も駅から学校まで、学校から駅までの道で必ず通る道にあるのに、だ。

私が思うに、観光客は駅を出るとそのまま運河に向かって真っすぐ歩いていってしまうため、目にすることがないのだろう。
商大生も、朝は授業に間に合うため急いでいるし、帰りはアルバイトの時間を気にし、JRに間に合うようにとせかせかと歩いているため、中にどのようなお店があるのか知らなかったり、存在を意識していないのかもしれない。

しかし、そこにはふらっと立ち寄って、1つ2つ少し買って楽しめる小樽の名物がたくさんある。
小樽から札幌市内へのJRに乗る際には車窓から海を眺めながら、美味しいものを食べ、楽しかった1日を振り返ってみるのはいかがだろう。

(やまだ)


※本記事の内容は2018年7月時点の情報に基づいたものです。