潮見台小学校

 潮見台小学校は小樽市内18小学校のうち、国道5号線に面している4つの小学校の一つである。国道に面しているが故に、場所は広く市民にも知られている。

 ただ、他の三小学校(銭函、張碓、長橋)、の正門が国道に面して、そして山側に位置しているのだが、潮見台小学校は唯一国道の海側に校舎があり、国道より数メートル下がった裏側に正門がある。

 この正門前の道路が、ウィングベイ小樽への抜け道になっているので、潮見台小学校の正門前は数えきれないほど通っている方も多いと思う。

 潮見台小学校と称しているが、住所は新富町。学校の歴史を少々紹介するとする。
 明治25年(1892年)分教所として開設、明治34年(1901年)潮見台尋常小学校となり、この年を開校記念とする。ここから数えても120年近い歴史を有する小学校である。

 潮見台、新富、信香の勝納川地域が明治の初めから開かれた小樽黎明の地域だったことが、潮見台小学校の歴史の長さを意味している。

 現在の潮見台小学校同窓会長は、北海道議会議員の佐藤ただひろさん。私と高校柔道部同期で同じ釜の飯を食った仲間である。潮見台小学校での思い出話を一つ教えてくれた。

 昔はお隣学区若竹小学校と潮見ヶ岡神社の境内土俵で、小学生横綱決定戦をそれぞれの学校から代表を出してやったそうだ。偉丈夫の佐藤ただひろさんが潮見台小学校を代表して土俵に上がったのだが、若竹小学校代表に負けてしまったとの事。

 ただ、2学年下の弟公昭君が見事リベンジして、横綱入りの賞杯を持ち帰ってくれたと懐かしそうに語ってくれた。

 特筆すべきは、潮見台小学校には昭和63年(1988年)開設の郷土資料館があることだ。
 「小樽の生い立ち」「昔のくらしと遊び」「昔のおもちゃ」「昔の道具」「あゆみ」「昔と今」などの資料、写真が展示されている。教育文化遺産として地域に一般開放しているのだ。

 この郷土資料館の一角には、潮見台小学校の卒業生でもある、小樽が生んだプロレタリア作家小林多喜二のコーナーも併設されている。年末年始、土日など学校休校日は見られないが一見の価値あり。小樽ファンにとって隠れた穴場スポットであることを書き加えておく。

(斎藤仁)