最上の景色

 私が小樽に初めて来たのは2月の本試験の前日である。

 たまたま天狗山の近所のリゾートに泊まり、本試験が終わってたまたま天狗山に行ってみた。軽い気持ちで行ったはずの裏山は素晴らしかった。
 ちょうど小樽雪あかりの路の期間だったし、日が沈む時間だった。私が展望台に登ったとき、美しい夜景が広がった。

 今もその時の感情が生々しく鮮明に思い出される。小樽が夜景で有名なことは知っていたが、ネットで一番多く見えるのは運河だったので、そんな場所があるとは思えなかった。

 初めて天狗山を訪れた季節は冬で、今回の課題を機に夏の小樽を眺めに行くことができた。小樽は雪のイメージが強いから、小樽を眺められる展望台は冬だけ混むだろうと考えていた。
 しかし予想以上に、リフトに乗る人は多かった。展望台に登って昼の景色を眺めたら、期待以上に美しかった。

 天狗山の山頂には天狗山神社「鼻なで天狗さん」がある。天狗さんの長い鼻に触れると「願い事が叶う」という伝説があると説明されていた。
 本試験の日は私の合格を願いながら、一緒に来た母が鼻を触ったが、今回はありがたくて私が長い鼻に触れてみた。
 夜の天狗さんは少し怖かったが、昼の天狗さんは優しかった。むしろ展望台に隠されて景色が見えない場所にあるのがかわいそうだった。

 私はプレゼントとしての小樽を感じた。
 小樽では沢山のプレゼントを得ることができるが、景色のプレゼントは天狗山がある最上からもらうのが一番美しいと思う。

 最上の山は天狗山が有名で、その以外にも坂が多い。偶然に私は小樽に来て最上で暮らすことになった。片道20分間の登下校の時間で坂道を上ったり下ったりしている現在、毎日小さなプレゼントをもらっているような気持ちである。

 天狗山の天狗さんにも、全世界の人々にも最上だけで見れる景色を見せたい。韓国に帰りながら、受験で落ちても来てよかったと思ったくらい美しい夜景だった。毎日のプレゼントみたいな景色、それが小樽の最上にある。

(チェユナ)