奥沢の不動院

 奥沢の不動院は、奥沢口から奥沢本通り沿いに800mほど進んだ、第一ゴムの通りを挟んだ向かい側にある、高野山真言宗のお寺である。

 写真に写るように無漏山(むろさん)不動院というのが正式名称で、明治17年(1884年)開創、小樽の名刹の一つである。また、写真の右側にちらっと腕だけが映り込んでいるが、入口に対の不動明王が睨みを利かす小樽唯一のお寺でもある。

 ここの第五世住職、岸田光明師は私の音楽仲間の一人である。小樽ライオンズクラブメンバーで作る6名編成オヤジバンド「皆来留(ミラクル)バンド」のベーシストとして活躍こしている。

 メンバーからは、愛情を込めて「和尚」「和尚さん」と言われている。私は尊敬を込めて「おしょう」と呼ばさせていただいている。

 花園公園通りミルクプラント前にも「不動院」というお寺があるが、どちらも空海が開祖の真言宗のお寺というだけで、縁戚ではないようだ。

 前述、皆来留バンドの練習は、この不動院内の防音完備スタジオで行っていると、バンドリーダーの家庭サービス社の村瀬社長に聞いたことがある。いまだスタジオに訪問したことはないのだが、立派なスタジオと聞いている。

 このバンド、今は無きエンペラーや小樽経済センターで開催されている、ライオンズクラブ主催ダンスパーティーや、毛無山のワインカーニバルにゲスト出演している小樽市内の人気バンドのひとつである。

 そして浅草橋オールディーズナイト実行委員会が主催する、北海道を代表するアマチュアバンドイベントである、2月小樽雪あかりの路オールディーズライブ、8月北運河サウンドエナジーにもご出演いただいている。

 しかし、なんといっても5月末に彼の地で開催される、不動尊例大祭のアトラクションとしての出演が大事で大きなステージである。

 小樽市内では、5月中旬の招魂祭から9月初旬の朝里神社まで毎週のように例大祭が開催されるというのが有名であるのだが、唯一、寺院の例大祭として残っているのが、ここ不動院の例大祭である。昔から奥沢地域唯一のお祭りとして、子どもたちや地域住民に春の訪れを知らせているのだ。

(斎藤仁)


※本記事の内容は2017年11月時点の情報に基づいたものです。