トンボハイヤー

 トンボハイヤーは小樽市内に2社ある地場のハイヤー会社の一つである。ちなみにもう一つは、小樽臨港線から南小樽駅の札幌側に移転した、阿部誠社長率いるこだま交通である。

 トンボハイヤーは色内3丁目の小樽運河沿いにあり、空き地を挟んで隣には旧澁澤倉庫のゴールドストーン、手宮側に運河公園、国の重要文化財である旧日本郵船小樽支店などがある、今でも往時の風景を残す北運河地域に位置している。

 社長の坂田理氏は、私の潮陵高校、北海学園大学、小樽青年会議所の後輩で、しがない先輩をいつも立ててくれる良き後輩である。坂田氏は地域おこし活動にも積極的に参加し、小樽観光協会理事として、様々な事業を企画運営している。

 また、近年注目を浴びているB級グルメ全国祭典にも参加している「小樽あんかけ焼きそば親衛隊」の隊長も務めている、まちづくりのスペシャリストである。

 このトンボハイヤーには、小樽ガイドクラブ顧問の山川隆先生が、専務取締役として稲穂小学校校長を退職後、10年以上に渡って在籍していたことがある。その山川先生の影響もあり、多くのドライバーが小樽観光に関する歴史を勉強し、小樽案内人有資格者も多く輩出している。

 かなり以前の話しだが、亡父の十三回忌を旧青山別邸のレストランでやった事がある。山川先生にも参加してもらったその法事終了後、市外から出席してくれた父方、母方の親戚一同を引き連れ、旧青山別邸の案内を当時トンボハイヤー専務の山川先生にお願いした事があった。

 その時に、トンボハイヤーの運転手さんにもこの旧青山別邸や、小樽の歴史に関しいろいろ質問される事が多いと、飾られている絵画を見ながら話していた事を思い出す。

 ハイヤーの保有台数は30台と、他社と比べて決して多くはないのであるが、観光都市小樽を背負っているという自負を持って、日々営業努力を続けている。

(斎藤仁)