試食のできる飴屋さん

 堺町通りを抜け、運河沿いを少し横道に逸れたところにあるこじんまりとしたこのお店は、晴れの日に行くとちょっぴり嬉しくなれる素敵な飴屋さんです。

 大正時代から、なんと100年以上続く伝統ある飴屋さん『飴屋六兵衛本舗』は、趣のある店舗と店舗の前にドンと構えてある屋台が特徴的。晴れた日に屋台を覗いていると、飴がぎゅうぎゅうに詰まった屋台の奥から優しい店員さんが出迎えてくれます。

 飴の中に練り餡が入った雪たん飴、昔懐かしニッキ飴、カラフルで可愛い形のりんご飴……。他にもパインアメや甘酒飴、きなこ飴なんかも並んでいます。きらきら光る飴玉を楽しく眺めていると、どれも美味しそうに見えて困ってしまいますよね。そんな時、それを見ていた店員さんが優しく試食を勧めてくれるのです。「ひとつじゃなくても良いのよ」なんていう声に甘えていくつも試食をしてみれば、きっと貴方の好みの飴も見つかるはずです。

 気に入った飴の袋を持って「これください!」と声を掛けると、店員さんは商品を可愛い袋に入れてくれます。早速食べようと袋を開くとあら不思議。買った覚えのない飴玉がごろごろ入っているではありませんか。驚いて店員さんを見ても、ただにこにこ微笑んでいるだけ。

 そう、なんとこの飴屋さんは「おまけ」を付けてくれるのです。おまけ付きのお店自体今ではめったに見かけなくなってしまいましたが、おまけを付けて貰えるとなんだか嬉しくなってしまいますよね。

 その嬉しい気持ちの余韻に浸りながら、小樽の街をぶらりと歩いてみるのはいかがでしょうか。車に乗って観光するにも、歩いて辺りを見て回るにも、飴はぴったりな観光のお供になってくれること間違いなし。甘くて美味しい飴を舐めながら小樽の街を歩けば、なんだかもっと素敵なものと出会える予感がして来ますよね。

(いろはにほへと)


※本記事の内容は2018年7月時点の情報に基づいたものです。