あおばと
小樽市の鳥はアオバトである。見た目も大きさも巷公園などで見かけるハトと同じような感じらしい。ちなみに市の花はツツジ、市の木はシラカンバと制定されている。
アオバトが小樽市の鳥に指定されたのは、昭和61年(1986年)5月。ツツジやシラカンバの制定が、昭和43年(1968年)5月だったので、遅れること18年ということだ。
古くから張碓の恵比須(寿)島(岩)に、本州から海水を飲むアオバトが飛来して来ることは、野鳥ファンや地元の人たちには知られていたのであるが、私のまわりには、アオバトを知っているものは皆無で、私は市の鳥に制定されたという、新聞記事で初めて知った次第なのである。
NHK紅白歌合戦最後の観客カウントで有名な、日本野鳥の会の小樽支部長佐々木勇氏が、昭和59年(1984年)アオバトの市の鳥制定を請願したと、小樽市史に記載されている。
それを受け、地元町内会、学校関係者、野鳥の会、農漁業関係者、市民団体、経済団体、報道機関、担当行政等が集まり、複数回の会議を開き、制定にこぎつけたという事のようだ。
鳥の場合、糞害、鳴き声による騒音、食害等植物にはない問題も多数あるということで、じっくり審議したと記載されている。
恵比寿島のように多数のアオバトが見られるのは、日本国内では神奈川県の三浦半島とここだけということだ。小樽市八区八景の一つに「恵比寿島とアオバト」が指定されているのは、ご存じの方も多いと思う。
毎年5月初めから10月頃まで、張碓海岸でアオバトが海水を飲む姿がよく見られるという。張碓海岸に迫りくる海岸段丘の森の中がアオバトの生息地だそうだ。
長々とうんちくを語らせていただいたが、残念ながら私はこの目で確信を持ってアオバトを見たことはないのだ・・・。そして国道5号線沿いの張碓に設置されていたアオバト案内板であるのだが、なぜか今は取り外されている・・・。
(斎藤仁)