温かい中央市場

私が小樽で一番好きな場所、中央市場。
初めて行ったのはついこないだ。雪がしんしんと降る午後。
用があって近くに来たため、ずっと行きたかった中央市場に寄ってみた。

頭に積もった雪をおとして中へ。
市場の中は決して暖かい温度ではなかった。しかし懐かしさを感じる温かい雰囲気。

入ってすぐにあったのはお総菜屋さん。
美味しそうなお総菜が所せましと並べられている。
常連のような奥さんもお総菜を見ていた。
ああ、いいにおい。

私は一人暮らしを初めてからろくにおかずも作っていないし、夕ご飯も食卓はいつも寂しい。
そろそろお母さんが作ったあたたかい料理が食べたかった。
我慢が出来なくてお総菜を夕ご飯のおかずにいただこうと決めた。

選んだのはエリンギのネギ塩炒め。
お総菜屋のお母さんに「これください。」と言う。
お母さんは目分量で袋にひとすくいのエリンギを入れた。110グラム。
「おまけだよ。」と元気に言い、100グラムの料金にしてくれた。
おなかが空いているのを見透かされていたのだろうか。優しいお母さんだった。

続いて入ったのは紅茶屋さん。
私はおしゃれな雰囲気で見入ってしまった。
店員のお姉さんは「寒いから入って。」と言ってストーブの前に座らせてくれ、私のために紅茶の試飲を作りながら話し相手をしてくれた。
飲ませてくれたのはドライフルーツが入った紅茶。そのフルーツは食べることができとても美味しい。
ちょうど通りかかった鮮魚屋のお父さんが「美味しいかい?」と言ってニカッと笑いかけてくれた。

買い物を終え帰る途中、紅茶屋のお姉さんが走って追いかけて来た。どうしたのだろう思えば手作りのジャムをおすそ分けしてくれるためだった。
鮮魚屋のお父さんは「気を付けてね。」とニカっと笑う。

市場から出て空を見ると銀色の空、雪は止んでいた。
なぜだか分からないけど、上を見ないと涙が出そうだった。

「よし。明日からも頑張ろう。」

一人暮らしの私を励ましてくれた、
私の好きな場所、中央市場。

こんな温かい出来事が、
小樽では毎日、いくつも起こっているのだろう。

(おチビ)


※本記事の内容は2018年1月時点の情報に基づいたものです。