かま栄工場直売店

 小樽といえば観光の街。定番のお土産といえば、かま栄のかまぼこだ。小樽の堺町通にはその工場直売店がある。工場と販売店舗が一体化してて、ここで作った出来たてのものをすぐ買って食べることができる。観光地の真ん中にあるからなのか、駐車場が有料で、買い物をすれば1時間無料というシステムだ。

 店は平成20年にリニューアルオープンしたばかりで新しく、かまぼこの販売の他にもおみやげコーナーやカフェ、工場見学も楽しめる。売っているかまぼこの種類は普通のタイプと揚げかまぼこ。中でも最も有名なのが「パンロール」。かまぼこなのにサクッとした不思議な食感は、かま栄のオリジナル商品となっている。

 また、建物の奥に進むと作業員がかまぼこを作っている様を様子を、無料で見ることができるようになっている。私は久しぶりの工場見学に興奮した。新千歳空港にあるロイズのチョコレート工場や白い恋人パークなど、商品を製造している現場が好きでつい、じっと見つめてしまう。かまぼこはもちろん全てが手作りで、作業員がひとつひとつ丁寧に、すごい速さで作り上げていく。1日に何個つくるんだろうか。見学スペースと工場の間はガラス張りになっていて、こちら側から中を覗くと、かまぼこを練っている人と向い合うようになっていて、とにかく距離が近い。しかし、こっちの存在にはひと目もくれず、黙々と制作していた。相手にされていないような寂しさを感じたけど、大学生にもなってこんな真剣に見ていたら逆に気づかれても恥ずかしい。そもそもマジックミラーなのかもしれない…。周りの壁にはかまぼこを作る手順も書いてあるので、小学生だったら自由研究の題材にするのもちょうどいい。

 家族で小樽に行くなら、ぜひこの工場に行ってほしい。美味しいかまぼこも食べれるし、楽しかったことを子どもとゆっくり話し合いながら、カフェで休憩もできる。現代では、あらゆる食品の製造がほとんど機械での作業になっている。けれども時代の流れに逆らって、手作業で正確に作り上げていく。伝統を守り続けるこのかま栄の姿を、多くの子ども達に見てもらいたい。

(おいし)


※本記事の内容は2016年2月時点の情報に基づいたものです。