奥沢墓地

 奥沢墓地は、天神十字街からキロロに抜ける道道を400mほど上がった左側にある公営墓地の一つである。ちなみに小樽市内にはこのような公営墓地は14か所ある。そのうちの一つということである。

 この道道が、潮陵高校体育祭の8キロマラソンのコース途中になっていたので、ここに墓地があるのは高校生の頃から知っていた。ただ、小樽市内に親戚のいなかった我が家としては、小樽市内の墓地にお墓参りに行くという習慣が無かったので、大して関心は持てなかった。

 ただ、我が家のお墓がある岩見沢と違い、小樽の墓地は山坂にあるのでお参りは大変だろうなあと考えていた。それは現在も変わらないのであるが・・・。

 後年、この奥沢墓地にプロレタリア作家として知られる小林多喜二のお墓があり、亡くなった2月に毎年小林多喜二祭が行われているということを知った。

 雪の多い北海道でのお墓参りは8月お盆が主流で、次いで秋の彼岸、春の彼岸はまだまだ雪が残りお墓参りする人は、ほとんどいない。ちなみに我が家は、昔からお盆のみのお参りである。

 そんな雪深い2月に、実行委員会ボランティアにより道道から多喜二のお墓まで、写真の階段から毎年1m以上積もった雪を除雪するというのだ。墓地の中なので重機を入れるわけにもいかず、14-5名の人海戦術で作業するという。

 全国から集まる多喜二ファンのために、祥月命日である2月20日のお墓参り目指して、雪かきする努力には頭の下がる思いだ。聞くところによると、全国各地、遠くは九州からも多喜二ファンが集まりお参りにこられるという。

 この道道には写真に写る奥沢墓地の縦看板とともに、小林多喜二の墓の案内表示板も設置されているのだが、私は一度もお参りした事がない。今年(2018年)はこの30段以上の階段を上り、お墓参りしてみる事にする。

(斎藤仁)