三角ビル

警察署や北電小樽支店のある浅草通りが、緑第一大通りに斜めに曲がる信号のないT字路に、この三角ビルは建っている。もちろん三角形のビルであるわけではない。正確に言うと台形型のビルということになるのだろうが、斜めT字路の鋭角部分に建っているので、子どもの頃から三角ビルと呼んでいる。

このビルの正式な名前、建設年、詳細等はまったくわからない。ただ、レンガとガラスブロックがやけに目立ち、子どもの頃から気になってしょうがなかった建物であった。

昭和41年(1966年)4月、今から半世紀以上前、父親の転勤で小樽に来た時から、このビルは既に今と同じような状態で建っていた。小樽駅方面から、山の手地域(緑・最上方面)に行く時は、必ず目に飛び込んでくる建物であるので、ご存知の方も多いと思う。

当初はコンクリート等建築関係の会社が入居していた記憶がある。測量等の専門的な看板が架けられていたのを微かに覚えている。

このビルには外から入る地下があり、今でも現存するその地下入口は、子ども心に珍しい地下空間に対し興味津々だったものだった。たまにドアが開いていて、地下へのコンクリート階段が見えていたりすると、中はどのようになっているのだろうかと、想像を掻き立てられたものだった。怖いもの見たさに、中に入ってみたい衝動に駆られたものだったが、実現はしていない。

年月は流れ、入居者もいなくなりビルも閉鎖されている期間も長くなると、このビルもいつ解体されるのかと思っていたのだが、そんな矢先、2階に若者向きのバーがオープンしたようである。写真の2階窓から見える外国ビール会社の電飾ネオンがそれを物語っている。

歴建や古民家をカフェ等に転化とはよく聞く話しであるが、この古ビルが飲食店になったとは驚きいっぱいである。オーナーには頑張ってもらいたいと願っている。

(斎藤仁)