やま安

 やま安は梁川通りにある創業明治45年(1912年)の老舗そば店である。今でも付き合いのある中学校時代の同級生が、毎週火曜日にお手伝いしているのを聞いて、ここ数年、家内共々よく食べに行っているお店である。

 現在は四代目の安藤彰啓さんが、お母さん、奥さんの純子さんと切り盛りしているのだが、彰啓さんが体調を崩され、しばらくお休みしていた。

 しかし、現在は純子さんが中心となり午後3時までの営業だが、再開し頑張っているところである。

 前述の同級生からは、値段も手ごろでメニューに無いものでも作ってくれるよ、と聞いていたので、はじめて来店した時、家内はメニューには無かった好物の冷たいおろしそばを注文した。

 ちなみに私は、いつものかしわそばであった。ワンパターンであるのだが、各店のかしわそばの特徴を楽しむのも、私の嗜好の一つとなっている事を付け加えておくとする・・・。

 そば店というとやはりお昼が書き入れ時である。私たちが行くのもほぼランチタイムであるのだが、まあ引っ切り無しにお客さんが来る人気店である。近所にあった「かねさく」や都通りの「石川屋」が閉店した影響もあるのか、近隣のそば好きが集まってくるのかなと思っている。

 ところで、ここのお勧めは? と同級生に聞くと、ラーメンとの答えだった・・・。

 北海道のそば店には、出汁の効いたシンプルな昔ながらのあっさりラーメンを出すお店が多いのだが、ここ「やま安」もそのひとつということだ。

 彼女曰く、そばの注文より多いくらい・・・と言うのである。確かにラーメンを食べているお客さんが多い。しかし、やはりそばを注文しているお客さんの方が、その日は間違いなく多かった・・・。とくにもりそばが・・・。

 ちなみに、そばもラーメンも自家製麺ということだ。

 とにもかくにも、店主彰啓さんの早くの復帰を望まずにはいられない。

(斎藤仁)