私が小樽に引っ越してきたのはちょうど3年前。
初めて過ごす小樽の冬では、今まで雪国で育ってきたなかで初めて新たな発見をした。

それは、雪が違うということ。
私の地元は、北海道の北部旭川で、そこでは、さらさらのパウダースノーやダイヤモンドダストを小さなころから見てきた。

しかし、小樽の雪は少し海の湿気を含んだ粒の大きい雪が降っている。初めて気づいたときは、驚いた。雪だるまを作るのにこんなに適した雪はないと・・(笑)
そして何より、こんなに暖かいのにきれいな雪が見られるのだということに驚いた。

空から落ちてくる雪は結晶が連なって大きく、手のひらに落ちてもなかなか融けない。よくテレビで見る、手のひらに落ちてくる雪を見つめるということが、小樽の雪ではかなうのだ。

そして小樽で過ごす2年目の冬。この年の小樽は特に大雪で、道内でも豪風雪注意報が出ていた。この写真を撮った日も昼間は大荒れで吹雪いていた。
アルバイトの帰り道。住んでいた下宿の前の坂がこんなに雪に覆われていた。一歩足を踏み出すとなんと膝のところまで雪が積もっている。あまりにも積もっていたため、思わずカメラを向けてしまった。約45度の傾斜で夏でも一苦労な坂にこれほどの雪が積もると、転ぶのは当然のこと。幸いに柔らかな雪のクッションが私を受け止めてくれた。

小樽に住む人は本当に元気な人ばかりだ。
これほど急な坂でも、近所に住むご高齢の方がいつも元気にこの坂を登る姿を見かける。冬は滑らないか心配な坂だが、小樽にすむ人々の元気な源はこの坂なのであろう。

地獄坂のはずれにこの坂はある。学校が終わり、地獄坂を下り、またこの坂を登る生活は大変であり、健康を感じた日々であった。そして、小樽で大雪を目の当たりにしたのも去年までで、今年の雪はすこし少ない。

スキーをしにやってくる観光客のみなさん。スキーもいいけど、こんなに雪だるまが作りやすいのは、小樽の雪だけですよ。
見る雪ではなく、遊べる雪が降るのは小樽のいいところ。
冬の小樽へ来たら、ぜひ、手で丸めて形を作って遊んでください。

(雪だるま)