小旅行

久しぶりに夫婦で函館に旅行に行くことになっていたが、台風が北海道を縦断するということで、出発当日に断念した。
が、体がどこかへ行きたいモードになっており、抑えることができない。
そこで、小樽に行くことにした。
運河沿いにあるホテルノルドのランチバイキングが評判であることを思い出したからだ。

さてさて、札幌から小樽までの小さな小さな日帰り小旅行の始まりである。

ノルドに着いた。予約していなかったので、並ぶことを覚悟したが、昼前だったこともあり、すんなり入れた。
追加料金で、昼間っから小樽ワインが飲み放題になることが分かったが、車で行ったのでこれはあきらめざるを得ない。
その代わり、今日だけはダイエットを忘れることにした。
いやいや、飲み放題を付けても忘れるのだが。

ごめんなさいというくらい食べた後、さすがに後悔の念が湧いてきたので、近くのスーパー銭湯に行き、サウナに5回入って汗を流し、バリ式マッサージも受け、気分スッキリ。
「いい休日だった」と車を運転していたら、ふと、去年、義父の7回忌で宏楽園に行った時の会席で出てきた小樽の地酒「寳川」がものすごく美味かったことを思い出した。

ちょうど北運河付近を運転中である。
田中酒造が近い。

よし、行こう。

すぐそばに、デンとした構えで長い歴史を感じさせる田中酒造があった。
なんせ、90年の歴史があるのだ。
店の中も実に風情があり、入っただけで美味い酒であることが分かる。

よし、買おう。

したっけ、宏楽園で呑んだお酒がどれか分からない。
すると、店員さんがわざわざ電話をかけ、調べてくれた。
「大吟醸」だった。
「よし、それを」と手に取ったが、ふと考えなおした。
今日はせっかくの小旅行、店員さんも親切にしてくれたことだし、ここは奮発してランクが上の「純米吟醸」を買っちまえ!
嫁の顔が少し歪んだが、いいのいいの、小旅行なの。

すっかり満足して車に乗り込んだ。
が、サウナに5回も入ったからか、今度はおなかが空いてきた。

これは何かを食べねばならない。

せっかくの小樽だも、やっぱ鮨かなあ。
だけど、今日はちょっと贅沢しちゃったしなあ。
でも、ちょこっとつまみたいなあ。

そうだ、伊勢鮨駅中店だ。
サクッと気軽に本格的な鮨を楽しむならここだ。

早速、駅に向かい、伊勢鮨駅中店へ。
おまかせ10貫と〆鰊を堪能。
もう完全に満足。

帰りに「なると」で半身揚げを買って帰ろうと思ったが、さすがに自粛。

たまに、こういう小樽もいいものです。

(みょうてん)